事故発生に近い時期になされた供述書の記載を証拠として採用しないで、その後になされた証言によつて事実の認定をしたからといつて、何らの違法もない。
事故直後の供述調書の証拠価値
民訴法185条
判旨
証拠の取捨選択、事実の認定および鑑定申請を採用するか否かの判断は、原審の専権に属し、特段の事情がない限り理由不備や採証法則違反等の違法とはならない。
問題の所在(論点)
裁判所が特定の証拠を採用し他を排除する際、あるいは証拠調べの申請を却下する際、その理由を詳細に示さないことが理由不備や採証法則違反にあたるか。
規範
事実認定に係る証拠の取捨選択、および証拠調べの必要性の判断(鑑定申請の採否等)は、裁判所の専権(自由心証主義)に属する。事故に近い時期の供述調書と後の証言に食い違いがある場合でも、いずれを採用するかは裁判所の合理的な裁量の範囲内であり、不採用の理由を詳細に説示しなかったとしても、直ちに理由不備の違法を構成するものではない。
重要事実
バス、上告人のトラック、訴外車両の3台が絡む衝突事故において、バスの乗客Dの衝撃回数に関する証言が争点となった。上告人は、Dの警察官に対する供述調書(衝撃2回)と公判証言(衝撃1回)に矛盾があると主張し、また原審が上告人の鑑定申請を理由を示さず却下したことは違法であるとして上告した。
あてはめ
本件において、原審がDの証言を供述調書より優先して採用したことは、両者に必ずしも致命的な矛盾がない以上、証拠の取捨判断という原審の専権事項に属する。また、衝撃の回数や事故態様に関する事実認定も、論理法則や経験法則に反する点は認められない。さらに、鑑定申請についても、その必要性を否定し採用しないことは裁判所の専権であり、却下理由を判決文に明記しなかったとしても、審理不尽や理由不備の違法は存しないと解される。
結論
事実認定および証拠の採否に関する原審の判断に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟における自由心証主義(民訴法247条)と事実認定の専権を再確認する。実務上、事実認定の不当を理由とする上告・上告受理申立ての困難さを示す一例であり、証拠排除の理由不備を突く主張の限界を示唆する。
事件番号: 昭和50(オ)444 / 裁判年月日: 昭和50年10月17日 / 結論: 棄却
嫌忌される施設の設置、運営による損失が不法行為に基づき賠償すべき損害にあたるか否かは、被侵害利益ないし権利の性質、程度、施設の社会的有用性、損害の発生を防止、軽減すべき処置をとりうる可能性、施設設置の意図、設置場所等諸般の事情を総合して、社会通念上受忍すべき限度をこえるか否かによつて決められるべきであるところ、本件火葬…