公職選挙法第二五一条の二に規定する「選挙運動を総括主宰した者」とは、実質上選挙運動の中心的存在として、選挙運動に関する事務全体を掌握し指揮する立場にあつた者を指称するものと解すべきである。
公職選挙法第二五一条の二にいう選挙運動総括主宰者の意義。
公職選挙法251条の2
判旨
公職選挙法251条の2に規定する「選挙運動を総括主宰した者」とは、実質上選挙運動の中心的存在として、選挙運動に関する事務全体を掌握し指揮する立場にあった者をいう。
問題の所在(論点)
公職選挙法251条の2(連座制)における「選挙運動を総括主宰した者」の意義、および形式的な役職名のみを有する者がこれに該当するか。
規範
公職選挙法251条の2に規定する「選挙運動を総括主宰した者」とは、形式的な役職名にとらわれることなく、実質上選挙運動の中心的存在として、選挙運動に関する事務全体を掌握し、かつ、これを指揮する立場にあった者を指すものと解する。
重要事実
上告人は、連座制の適用対象となる「選挙運動を総括主宰した者」の認定をめぐり争った。具体的には、ある人物(D)が表面上は名義のみの総括主宰者であった場合、その人物が実質的な総括主宰者に該当するか否かが問題となった(詳細な具体的事実は判決文からは不明)。
あてはめ
本件において、Dは表面上名義のみの総括主宰者に過ぎず、実質的に選挙運動の中心として事務全体を掌握・指揮する立場にはなかった。判旨の規範に照らせば、名義等の形式面ではなく、実質的な指揮・掌握の有無によって判断されるべきである。したがって、Dは「実質上総括主宰者ではない」との判断が維持される。
結論
Dは実質上の「選挙運動を総括主宰した者」には当たらない。したがって、Dが実質的な総括主宰者ではないとした原判決に法令違反はない。
実務上の射程
連座制における「総括主宰者」の意義を実質説の立場から確定した基本判例である。司法試験においては、身代わりを立てる等して責任を免れようとする事例において、役職名ではなく実質的な掌握・指揮権限の有無を検討する際の判断基準として活用できる。
事件番号: 昭和39(行ツ)40 / 裁判年月日: 昭和40年1月19日 / 結論: 棄却
候補者の推薦届出者が、当該候補者のために出納責任者を選任届出するにあたり、事実、当該候補者が右選任を承諾していたときは、その届出に当該候補者の承諾を得たこと証すべき書面の添付を欠いたとしても、選挙管理委員会においてこれを受理した以上、その出納責任者の選任を有効と解すべきである。
事件番号: 昭和35(オ)1400 / 裁判年月日: 昭和36年3月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法(昭和30年法律第121号改正前)221条に基づき当選が無効とされる「出納責任者」とは、単に形式上の選任にとどまらず、実質的にもその職務を遂行する地位にある者を指す。 第1 事案の概要:上告人の選挙において、Gが法定の出納責任者として届け出られていたが、上告人は真実の出納責任者はFであり…
事件番号: 昭和39(行ツ)69 / 裁判年月日: 昭和40年2月9日 / 結論: 棄却
候補者D道男の長男でその地方において著名人であるD道太の氏名に合致する記載のある投票は、原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、無効と解すべきである。