判旨
公職選挙法(昭和30年法律第121号改正前)221条に基づき当選が無効とされる「出納責任者」とは、単に形式上の選任にとどまらず、実質的にもその職務を遂行する地位にある者を指す。
問題の所在(論点)
公職選挙法(改正前)221条の連座制の適用対象となる「出納責任者」の意義、および形式的な届出名義人と実質的な活動実態のいずれを基準にすべきかが問題となった。
規範
公職選挙法上の当選無効事由となる出納責任者の選挙犯罪について、同条が適用されるためには、当該出納責任者が単に形式上の届出がなされているのみならず、実質上も出納責任者の地位にあることを要する。
重要事実
上告人の選挙において、Gが法定の出納責任者として届け出られていたが、上告人は真実の出納責任者はFであり、Gは自らが出納責任者であることを認識していなかったと主張した。これに対し、原審はGが形式上のみならず実質上も出納責任者であったと認定した上で、Gの選挙犯罪を理由に当選無効の判決を下した。
あてはめ
原判決の認定によれば、Gは単に形式的に出納責任者として選任・届出されていただけでなく、実質的にもその地位に基づき活動していた。上告人が主張する「Gは自らが出納責任者であることを知らなかった」等の事実は、原審の証拠取捨選択および事実認定によって否定されている。したがって、Gは同条にいう出納責任者に該当すると解される。
結論
Gは実質上も出納責任者であったと認められるため、Gの犯罪を理由として上告人の当選を無効とした原判決に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
連座制における「出納責任者」の認定において、形式的な届出の有無のみならず、実務上の実態(実質性)を重視する判断枠組みを示したものとして、事実認定の在り方に影響を与える。
事件番号: 昭和39(行ツ)82 / 裁判年月日: 昭和40年2月26日 / 結論: 棄却
公職選挙法第二五一条の二および第二一一条の規定は、憲法第一五条第三項、第四項、第九三条第二項および第一四条に違反しない。
事件番号: 昭和39(行ツ)40 / 裁判年月日: 昭和40年1月19日 / 結論: 棄却
候補者の推薦届出者が、当該候補者のために出納責任者を選任届出するにあたり、事実、当該候補者が右選任を承諾していたときは、その届出に当該候補者の承諾を得たこと証すべき書面の添付を欠いたとしても、選挙管理委員会においてこれを受理した以上、その出納責任者の選任を有効と解すべきである。
事件番号: 昭和39(行ツ)42 / 裁判年月日: 昭和40年2月26日 / 結論: 棄却
一 訴訟代理人たる弁護士の他の受任事件の都合による第一回口頭弁論期日の変更申請は、当事者の出頭しがたい顕著な事由に基づくものとは認めがたく、これを許容しなくても違法とすることはできない。 二 公職選挙法第二五一条の二の規定は、憲法第一二条および第一三条に違反しない。