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土地境界確定の訴における二審判決図面に基点の表示がないが、一審判決添付図面との対比により主文不明確の違法がないとされた事例。
判旨
判決主文に直接基点の説示がない場合であっても、第一審判決や原判決の判文を対照して特定の地点を特定できるならば、主文不明確の違法はない。
問題の所在(論点)
判決主文において、確認対象となる土地の範囲を示す基点の説示が直接なされていない場合に、主文不明確として違法となるか。
規範
判決主文の明確性は、単に主文の文言のみから判断するのではなく、第一審判決の引用部分や判決理由中の説示、及び添付された図面等を総合的に対照し、客観的に確定可能であれば足りる。
重要事実
原告(上告人)が土地の所有権確認等を求めた訴訟において、原判決の主文には別紙図面上の各点を連結した範囲を所有地と認める旨が記載されていた。しかし、原判決添付の図面には直接の基点の説示がなかったため、被告は主文が不明確であるとして上告した。一方、第一審判決では特定の「石塚」を基点とする境界確認が求められており、原判決もこれを受けて争点を判断していた。
あてはめ
原判決は第一審判決を引用しており、第一審判決では特定の「石塚」を基点(ニ点)としていた。原判決添付図面の(ホ)点と第一審判決添付図面の(ニ)点を対照すれば、前者が後者の「石塚」を指すことは判文上明らかである。また、原判決はその点と他の地点との関係位置を明示している。したがって、主文の対象範囲は客観的に特定可能である。
事件番号: 昭和36(オ)26 / 裁判年月日: 昭和37年12月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事訴訟の判決主文における土地の表示は、添付図面上の地形、地物、方位、距離、および理由中の説示を総合して現地を具体的に特定できる限り、明確性の要件を満たす。 第1 事案の概要:上告人は、第一審判決が是認した主文において、係争地の範囲が不明確であると主張して上告した。問題となった土地の特定について、…
結論
主文不明確の違法はなく、判決は維持される。上告棄却。
実務上の射程
判決の執行力や既判力の範囲を画定する「主文の特定」に関する判例である。図面を用いた土地の範囲特定において、複数の図面や前審の認定を組み合わせて解釈することが許容される実務上の指針となる。
事件番号: 昭和39(オ)764 / 裁判年月日: 昭和40年5月20日 / 結論: その他
土地の共有者は、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、各自単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができる。
事件番号: 昭和42(オ)1181 / 裁判年月日: 昭和43年6月6日 / 結論: 棄却
地方自治法第二六〇条の規定は、「字」の区域を新たに画し、または確定している「字」の境界を変更する場合等につき定めた規定であつて、「字」の境界自体が争われている場合には、適用されない。
事件番号: 昭和33(オ)376 / 裁判年月日: 昭和35年5月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】売買契約書に記載された地番や地積が実際の対象物件と相違している場合であっても、当事者間の合意の対象が別の土地であると客観的に認められるときは、証拠に基づき契約対象を真実の物件へと確定することができる。 第1 事案の概要:被上告人らは、所有するa番山林(6反6畝20歩)を、a番の1とa番の2に分筆し…