土地の共有者は、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、各自単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができる。
共有持分権の及ぶ土地の範囲の確認を求める訴と必要的共同訴訟。
民法249条,民訴法62条
判旨
共有持分権は共有地の全部に及ぶため、各共有者は単独で第三者に対し自己の持分権の確認を請求できるが、その確認の利益は相手方が争っている範囲に限定される。
問題の所在(論点)
共有者が単独で持分権の確認を求めることができるか。また、一筆の土地の一部についてのみ争いがある場合に、土地全部について確認の利益が認められるか。
規範
共有持分権は、民法249条に基づき共有地の全部にわたって及ぶ。したがって、各共有者はその持分権に基づき、土地の一部について所有権を主張する第三者に対し、単独で自己の共有持分権が当該土地に及ぶことの確認を訴求できる。ただし、確認の訴えにおける確認の利益は、相手方が所有権の帰属を争っている範囲に限定される。
重要事実
共有者である被上告人らが、第三者である上告人に対し、本件共有地の全部について自分たちの共有持分権が及ぶことの確認を求めた事案。原審は、上告人が本件土地の一部についてのみ所有権を主張して争っているにもかかわらず、土地全体の確認請求を認容したため、上告人が確認の利益の範囲を理由に上告した。
あてはめ
各共有者が単独で持分権確認を求める点については、持分権が共有物全体に及ぶ性質上、保存行為または持分権に基づく権能として適法である。しかし、確認の利益については、上告人が所有権を争っているのは土地の一部にすぎない。争いのない地域については権利保護の必要性が認められないため、一筆の土地であっても、確認の利益が認められるのは「相手方の争っている地域」に限定されるというべきである。
結論
各共有者は単独で持分権の確認を請求できるが、本件では相手方が争っている範囲を超えて土地全部の確認を認めた原判決には確認の利益に関する違法がある。したがって、争いのある範囲を特定させるため、当該部分につき原審に差し戻す。
実務上の射程
共有物の保存行為(民法252条ただし書)や物権的請求権の行使として、共有者による単独の確認請求を認める実務の根拠となる。答案上は、確認の利益の対象範囲を確定する際の規範として、一筆の土地全体ではなく「争いのある部分」に画定させる論法に活用できる。
事件番号: 昭和44(オ)279 / 裁判年月日: 昭和46年12月9日 / 結論: 棄却
隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。