隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
共有地についての境界確定の訴と固有必要的共同訴訟
民訴法62条,民法223条,民法251条
判旨
土地の境界確定の訴えは、隣接する土地の所有者全員について合一に確定すべきものであるため、土地が共有に属する場合には共有者全員が当事者となることを要する固有必要的共同訴訟である。
問題の所在(論点)
境界確定の訴えにおいて、対象となる土地が数人の共有に属する場合、一部の共有者のみで訴えを提起することができるか。すなわち、境界確定の訴えの法的性質および当事者適格の範囲が問題となる。
規範
土地の境界は、土地の所有権と密接な関係を有し、かつ隣接する土地の所有者全員について合一に確定すべき性質を持つ。したがって、境界確定の訴えは、隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴え、または訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相当である。
重要事実
上告人らは、自己らが共有する山林と、被上告人が所有する隣接山林との境界確定を求めて訴えを提起した。しかし、当該共有地には上告人ら以外にも訴外Eほか1名の共有者が存在していたが、これらの者は本件訴訟の当事者(原告)として加わっていなかった。
あてはめ
本件における対象土地は、上告人らだけでなく訴外Eらを含む共有に属している。境界確定訴訟が固有必要的共同訴訟である以上、共有者全員が原告として関与しなければならない。本件では共有者の一部が当事者となっていないため、訴訟要件である当事者適格を欠いており、不適法な訴えといわざるを得ない。なお、訴訟告知を受けたとしても当然に当事者となるわけではないため、告知の有無は本件の当事者適格の欠如を補うものではない。
結論
本件訴えは当事者適格を欠く不適法なものであるため、却下されるべきである。
実務上の射程
境界確定訴訟(形式的形成訴訟)が固有必要的共同訴訟であることを明示した重要判例である。答案上では、共同訴訟の類型決定において「管理処分権の帰属」や「紛争解決の実効性(合一確定の必要性)」を検討する際の根拠として用いる。共有関係にある土地の境界については、全員の参加がなければ実質的な解決にならないという論理を示す際に必須となる。
事件番号: 昭和39(オ)764 / 裁判年月日: 昭和40年5月20日 / 結論: その他
土地の共有者は、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、各自単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができる。
事件番号: 平成9(オ)873 / 裁判年月日: 平成11年11月9日 / 結論: 棄却
土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と訴えを提起することに同調しない者とを被告にして右の訴えを提起することができる。 (補足意見がある。)