相隣接する土地の境界が不明であるときは、右境界が主観的に不明であると客観的に不明であるとにかかわらず、右土地の所有者は、境界確定の訴を提起し、裁判所の判決を得て、右境界の不明に基因する紛争の解決を図ることができる。
境界確定の訴の要件
民法223条,民訴法225条
判旨
境界確定の訴えが許容されるためには、相隣接する土地の境界が客観的または主観的に不明であれば足り、双方が主張する境界線に相違がある場合には同訴訟を提起できる。
問題の所在(論点)
境界確定の訴えが認められるための要件である「境界の不明」に、主観的な不明(当事者間の争い)が含まれるか。また、主張の対立がある場合に境界確定の訴えとして許容されるか。
規範
相隣接する土地の境界が不明であるときは、土地所有者は境界確定の訴えを提起して紛争の解決を図ることができる。この「境界の不明」とは、境界が客観的に不明である場合はもちろん、当事者間において主観的に不明である場合も含まれる。
重要事実
被上告人が所有する山林と上告人が所有する山林が隣接していたが、その境界について双方の主張する境界線が異なっていた。そのため、被上告人は境界の確定を求めて本訴を提起した。これに対し、上告人は本件が境界確定の訴えではなく所有権確認の訴えである旨を主張し、境界確定の訴えとしての適法性を争った。
あてはめ
本件では、被上告人所有の各山林と上告人所有の山林との境界について争いがあり、双方が主張する境界線が異なっている。このような主張の不一致がある以上、境界が主観的に不明であるといえる。したがって、裁判所が諸般の事実関係を認定した上で、実測図の方位や距離に基づき境界線を確定判示することは適法である。
結論
本件訴訟は境界確定の訴えとして許容される。境界が客観的・主観的に不明であれば、境界確定の判決を求めることができる。
実務上の射程
境界確定の訴えの訴訟物(公法上の境界)と所有権確認の訴え(所有権の範囲)を区別しつつ、前者の提起が認められる主観的不明の範囲を広く認めた。実務上は、地番を異にする土地間の公法上の境界を争う場合に、本規範を用いて訴えの適法性を肯定する。
事件番号: 昭和39(オ)915 / 裁判年月日: 昭和41年5月20日 / 結論: 棄却
一 境界確定の訴は、当事者相互の相接する各所有地間の境界に争があるため、その境界を現地に即し具体的に定める創設的判決を求める訴である。 二 境界確定の訴にあつては、当事者相互の相接する各所有地間の境界が不明であるかまたはこれに争があることの主張がなされれば足り、原告において特定の境界線の存在を主張する必要はない。 三 …