縁組及び婚姻を継続し難い事由があるとされた事例。
判旨
離縁及び離婚を決意するに至ったことが真に已むを得ない事情がある場合には、民法814条1項3号及び770条1項5号にいう「縁組(婚姻)を継続し難い重大な事由」にあたると判断した。
問題の所在(論点)
当事者間において離縁及び離婚の意思が固い場合に、民法814条1項3号及び同法770条1項5号の「継続し難い重大な事由」があるといえるか。
規範
民法814条1項3号の「縁組を継続し難い重大な事由」及び同法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、当事者間の関係が深刻に破綻し、その共同生活の回復が客観的に見込めない状態をいう。判断にあたっては、破綻に至る経緯、当事者の意思、その他一切の事情を総合考量して決すべきである。
重要事実
上告人と被上告人ら(養親及び配偶者)との間において、具体的な紛争や不和が生じていた。被上告人らは、上告人との親族関係を維持することが困難であると判断し、離縁及び離婚を求めて提訴した。原審は、諸般の事情を総合した結果、被上告人らが離縁・離婚を決意するに至ったことは真に已むを得ないものであると認定した。
あてはめ
被上告人らが上告人に対し離縁及び離婚を決意するに至った背景には、原判決が認定した諸般の事実が存在する。これらの事情を総合考量すれば、被上告人らの決意は「真に已むを得ない」ものと認められる。したがって、当事者間の人的結合関係は修復不可能な程度に破綻しており、縁組及び婚姻を継続し難い重大な事由が存在すると評価できる。
結論
被上告人らの請求を認容し、離縁及び離婚を認める。また、破綻の原因等に鑑み、原審が認定した金額の慰謝料請求も認められる。
実務上の射程
判決文からは詳細な事実関係(具体的な不和の内容等)は不明であるが、本判決は「決意が真に已むを得ないか」という主観的・客観的側面の総合判断を重視している。実務上、破綻原因を特定しつつ、最終的には「修復の不可能性」を論証する際の根拠として機能する。
事件番号: 昭和39(オ)558 / 裁判年月日: 昭和40年6月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民法770条1項5号にいう「婚姻を継続し難い重大な事由」の存否については、婚姻成立の経緯や共同生活の実態、子の福祉に加え、当事者の反省・努力や周囲の協力による関係回復の可能性を総合して判断すべきである。 第1 事案の概要:上告人と被上告人の婚姻関係について、上告人は婚姻当初から意思の合致が欠けてい…