請求原因の訂正補充は、準備書面に記載することなしに、相手方の在廷しない口頭弁論期日に主張しても差し支えない。
請求原因の訂正補充の陳述と相手方の欠席
民訴法247条
判旨
請求の原因における日時や期間等の訂正補充が、請求の同一性に影響を及ぼさない場合は、訴えの変更(民訴法143条)には当たらない。したがって、被告が欠席した口頭弁論期日において書面によらずになされた当該訂正の主張も適法である。
問題の所在(論点)
口頭弁論期日においてなされた取引日時の訂正補充が「請求の原因の変更」に該当し、書面の送達等を要するか。また、相手方が欠席した期日において当該補充を主張することの可否が問題となる。
規範
請求または請求の原因の変更(民訴法143条1項)に該当するか否かは、新たな主張が請求の同一性に影響を及ぼすか否かによって決する。単に従来の主張を明確にするための日時や期間の訂正補充にすぎず、請求の同一性に影響を及ぼさないものは、訴えの変更には当たらないため、書面の提出および送達(同条2項、3項)を要しない。
重要事実
被上告人(原告)は、上告人(被告)に対し、売掛代金債務の履行を請求した。その訴訟の過程で、被上告人は口頭弁論期日において、取引の日時および期間について従来の主張を訂正・補充する主張を行った。この主張は、上告人が欠席した期日において、準備書面の提出なしに口頭でなされたものであった。
あてはめ
本件における被上告人の主張は、本件取引により生じた売掛代金債務の履行を求めるという点では一貫しており、単に取引日時や期間に関する従来の主張を明確にしたものにすぎない。このような訂正は、請求の基礎となる事実関係の同一性に変更を来すものではなく、法143条の定める請求の原因の変更には該当しない。したがって、書面による提出や相手方への送達を前提とする手続規定の適用はなく、相手方が欠席した期日において口頭で主張したとしても、手続上の違法は認められない。
結論
本件訂正補充は請求の変更に当たらないため、上告人が不在の期日においてなされた主張であっても適法である。
実務上の射程
訴えの変更(143条)と単なる主張の整理・補充の区別を示す。実務上、請求を特定するのに必要な範囲内での事実の修正が、防御に不意打ちを与えない程度のものであれば、書面送達を要する厳格な手続を経る必要がないことを示唆している。ただし、主要事実に変更が及ぶ場合は慎重な判断を要する。
事件番号: 昭和31(オ)656 / 裁判年月日: 昭和32年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】続行期日の変更申請の許否および口頭弁論の再開は裁判所の職権に属し、当事者の不出頭が責めに帰すべからざる事由に基づくものと認められない限り、申請を却下して審理を進めることは違法ではない。 第1 事案の概要:控訴人である上告人は、第一回口頭弁論期日に出頭せず、指定された次回続行期日についても、病気療養…