一 検察官が当事者となる離婚無効事件の上告審判決において、当事者としての検察官の表示を検事総長何某としている判決例。 二 検察官が当事者となる離婚無効事件の上告審判決においては、当事者としての検察官の表示を検事総長何某とすべきである。
一 上告判決の当事者たる検察官の表示 二 人事訴訟事件の上告審判決における当事者たる検察官の表示方法
民訴法191条1項,人事訴訟手続法2条
判旨
離婚届の届出が当事者の意思に基づかないと認められない場合、当該離婚は有効に成立する。
問題の所在(論点)
離婚届の提出が当事者の意思に基づかない場合に、当該離婚が無効となるか(離婚における意思表示の存否)。
規範
離婚の有効要件として、当事者間に離婚の意思(届出をなすことについての合意)が存在することが必要である。
重要事実
上告人が、本件離婚の届出は自らの意思に基づかない無効なものであると主張して争った事案。原審は、証拠関係に照らして、本件離婚の届出が上告人の意思に基づかないものとは認められないと判断した。
あてはめ
原審が適法に行った証拠の取捨選択および事実認定によれば、本件離婚届の提出は上告人の意思に基づくものと推認される。上告人の主張は原審の認定事実に沿わない独自の主張にすぎず、原判決に違法はない。
結論
本件離婚の届出は有効であり、離婚は成立する。
実務上の射程
離婚の有効性を争う実務において、届出意思の存否が主要な争点となることを再確認するものである。答案上は、協議離婚の有効要件(民法763条・764条・739条)における「離婚の意思」の有無を判断する際の基礎的な考慮要素として機能する。ただし、本判決自体は事実認定の適否に重点を置いた簡潔なものであるため、規範の具体化(形式的意思説か実質的意思説か等)については他の重要判例を参照すべきである。
事件番号: 昭和37(オ)203 / 裁判年月日: 昭和38年11月28日 / 結論: 棄却
妻を戸主とする入夫婚姻をした夫婦が、事実上の婚姻関係は維持しつつ、単に、夫に戸主の地位を与えるための方便として、協議離婚の届出をした場合でも、両名が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてこれをしたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。
事件番号: 昭和32(オ)508 / 裁判年月日: 昭和34年8月7日 / 結論: 棄却
合意により協議離婚届書を作成した一方の当事者が、届出を相手方に委託した後、協議離婚を飜意し、右飜意を市役所戸籍係員に表示しており、相手方によつて届出がなされた当時、離婚の意思を有しないことが明確であるときは、相手方に対する飜意の表示または届出委託の解除の事実がなくとも、協議離婚届出が無効でないとはいえない。