会社の監査役が、弁護士としてその会社が当事者となつている訴訟行為を受任遂行する場合は、商法第二七六条に違反するとしても、右訴訟行為は無効とはならない。
監査役がその会社の訴訟代理人としてなした訴訟行為の効力
商法276条
判旨
口頭弁論の再開は裁判所の職権に属する裁量事項であり、控訴審で提起された反訴につき相手方の同意がない場合は、不適法として却下するか第一審へ移送すべきである。
問題の所在(論点)
1. 終結した弁論を再開すべきか否かについて、裁判所に義務があるか。2. 控訴審において相手方の同意なく提起された反訴に対し、裁判所がいかなる措置を執るべきか。
規範
1. 弁論の再開(民事訴訟法153条参照)は、裁判所の合理的な裁量に委ねられた事項であり、当事者に申立権は認められない。2. 控訴審における反訴提起(同法300条1項)は、原則として相手方の同意を要し、同意がない場合は不適法となる。この場合、裁判所は反訴を却下するか、第一審裁判所に移送する措置を執るべきである。
重要事実
上告人(被告)は、原審(控訴審)において一旦終結した弁論の再開を申し立てたが、裁判所はこれを認めなかった。また、上告人は控訴審において初めて反訴を提起したが、被上告人(原告)はこれに対して同意を与えなかった。原審は、当該反訴を第一審裁判所に移送する決定を行ったため、上告人がこれらの措置の違法を主張して上告した。
あてはめ
1. 弁論の再開については、裁判所の累次判例が示す通り専ら裁判所の裁量に属する。本件において原審が再開を認めなかったとしても、裁量権の逸脱・濫用等の事情がない限り違法とはならない。2. 反訴については、記録上、被上告人が同意しなかったことが明白である。審級の利益を保護する観点から、同意のない控訴審での反訴は不適法である。原審はこれに対し却下または移送のいずれかを選択すべきところ、第一審への移送を選択したことは適法な措置である。
結論
1. 弁論の再開を認めなかった原審の判断は適法である。2. 控訴審で同意なく提起された反訴を第一審へ移送した措置は適法であり、上告は棄却される。
実務上の射程
弁論再開の申立てが「申立権」ではなく単なる「職権発動を促す意味」に過ぎないことを示す。また、控訴審での反訴につき、同意が得られない場合の処理として却下のみならず「移送」も選択肢となり得ることを実務上示唆している。
事件番号: 昭和34(オ)623 / 裁判年月日: 昭和36年1月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】一旦終結した弁論を再開するか否かは、当該裁判所の自由裁量に委ねられており、弁論再開申請を却下したとしても、直ちに違法とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原審において弁論再開の申請を行った。しかし、原審は当該申請を採用(許可)することなく、弁論を再開しないまま判決を下した。これに対し、上告人…