判旨
一旦終結した口頭弁論を再開するか否かは、当該裁判所の自由裁量に属する事項である。したがって、当事者が主張するような特段の事情があったとしても、弁論を再開せずに判決を言い渡すことは違法ではない。
問題の所在(論点)
裁判所が一旦終結させた口頭弁論を再開するか否かについて、裁判所にどの程度の裁量が認められるか。
規範
一旦終結した口頭弁論を再開するか否かは、当該裁判所の自由裁量により決し得るものと解される。
重要事実
上告人は、原審における口頭弁論終結の際、またはその前後の状況に鑑みれば、弁論を再開すべき特段の事情があったと主張して、弁論を再開せずに判決を言い渡した原審の判断の違法を訴え、上告を提起した。
あてはめ
口頭弁論の再開は裁判所の職権(自由裁量)に委ねられている。本件において、上告人が主張するような弁論終結前後の諸事情について記録上は認められないものの、仮にそのような事情が存在したとしても、裁判所が自らの裁量によって弁論を再開しないと判断し、判決を言い渡した以上、その手続に違法があるとは認められない。
結論
弁論再開の判断は裁判所の自由裁量であるため、再開しなかった原審の判断に違法はなく、本件上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法上、弁論の再開(153条)は裁判所の裁量的処分であることを明示している。司法試験においては、釈明権の行使を怠った場合や、重要な証拠提出が間に合わなかった場合など、手続的正義の観点から裁量権の逸脱・濫用が問題となる場面で、原則としての自由裁量を指摘する際に用いる。
事件番号: 昭和35(オ)311 / 裁判年月日: 昭和35年7月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】口頭弁論終結後の弁論再開は、特段の事情がない限り裁判所の専権(裁量)に属し、弁論の再開を命じなかった原審の措置は適法である。 第1 事案の概要:上告人は、原審の証拠取捨判断や事実認定、および弁論再開の許否に関する措置を不服として上告した。上告人は、特定の事情(詳細は判決文からは不明)に基づき、原審…