判旨
口頭弁論終結後の弁論再開は、特段の事情がない限り裁判所の専権(裁量)に属し、弁論の再開を命じなかった原審の措置は適法である。
問題の所在(論点)
口頭弁論終結後に当事者から再開の申立てがあった場合、裁判所は必ず弁論を再開しなければならないか。弁論再開の許否に関する裁判所の裁量の範囲が問題となる。
規範
一旦終結した口頭弁論の再開を命じるか否かは、裁判所の裁量権(専権)に属する。当事者から再開の申立てがあったとしても、裁判所が直ちに再開を命じなければならない義務を負うものではない。
重要事実
上告人は、原審の証拠取捨判断や事実認定、および弁論再開の許否に関する措置を不服として上告した。上告人は、特定の事情(詳細は判決文からは不明)に基づき、原審が弁論を再開すべきであったと主張している。
あてはめ
本件において、原審が一旦閉じた弁論を再開しなかったことは、裁判所に認められた専権事項の範囲内である。上告人が主張する諸事情を考慮しても、原審の措置が直ちに裁量の逸脱・濫用となり、弁論再開を義務付けられるべき状況であったとは認められない。したがって、証拠取捨や事実認定と同様に、弁論再開に関する判断も原審の適法な判断として是認される。
結論
弁論の再開は裁判所の裁量に属するため、再開を命じなかった原審の措置に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟における弁論再開の申立てがなされた際の裁判所の裁量を肯定する古典的な判例である。答案上では、弁論終結後の重要事実の発覚や手続的保障の必要性を論じる際、原則として裁判所の裁量であることを示す論拠として活用できる。
事件番号: 昭和34(オ)623 / 裁判年月日: 昭和36年1月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】一旦終結した弁論を再開するか否かは、当該裁判所の自由裁量に委ねられており、弁論再開申請を却下したとしても、直ちに違法とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原審において弁論再開の申請を行った。しかし、原審は当該申請を採用(許可)することなく、弁論を再開しないまま判決を下した。これに対し、上告人…