判旨
高等裁判所の決定に対する不服申立ては、民事訴訟法上の再抗告ではなく特別抗告として扱われるべきであり、最高裁判所が当時の規定に基づき特別抗告として処理したことに違法はない。
問題の所在(論点)
高等裁判所の決定に対する不服申立てについて、最高裁判所が再抗告ではなく特別抗告として処理することの適法性、および、適用条文の選択に関する不満が再審事由(旧民訴法420条)に該当するか。
規範
高等裁判所が抗告裁判所としてした決定に対しては、裁判所法7条に基づき最高裁判所への再抗告は許されず、民事訴訟法(旧法)419条の2に基づく特別抗告のみが認められる。再審の申立てが認められるためには、民事訴訟法(旧法)420条所定の再審事由を具体的に主張する必要がある。
重要事実
申立人は、東京高等裁判所が昭和27年3月22日に抗告裁判所として下した決定に対し、最高裁判所へ再抗告を申し立てた。最高裁判所はこの申立てを特別抗告として扱い、裁判当時の現行規定に則って判断を下した。これに対し申立人は、最高裁判所が民訴法413条を適用しなかったことを不服として、再審の申立てを行った。
あてはめ
東京高等裁判所の決定は抗告裁判所としての判断であり、裁判所法7条に照らせば、通常の再抗告の対象とはならない。最高裁判所がこれを特別抗告として扱い、当時の民訴法419条の2に従って裁判したことは法的に正当である。申立人が主張する「旧民訴法413条の不適用」への非難は、単なる法令適用の是非を争うものに過ぎず、法定の再審事由(旧民訴法420条各号)のいずれにも該当しない。
結論
本件再審の申立ては、法定の再審事由を主張するものとはいえないため、棄却(却下)される。
実務上の射程
事件番号: 昭和25(ク)63 / 裁判年月日: 昭和25年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、特別の定めがある場合に限られ、その抗告理由は原決定における憲法判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定における憲法判断の不当性については主張されてい…
裁判所法および民訴法上の不服申立経路の峻別を示す。最高裁が申立ての性質を適切に判別して処理(読み替え)を行う実務を肯定しており、形式的な申立名称よりも実質的な不服申立権の範囲が優先されることを示唆する。
事件番号: 昭和27(ク)55 / 裁判年月日: 昭和32年3月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告を受理できるのは訴訟法で特に許された場合に限られ、実質的に法令違反を主張するに過ぎないものは、違憲を名目とするものであっても特別抗告として不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所が抗告人を審尋する等の手続を経ることなく裁判を行ったことに対し、最高裁判所に抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和25(ク)107 / 裁判年月日: 昭和27年2月28日 / 結論: 却下
現行法上決定に対する異議の認められるのは、最高裁判所が特別抗告についてした決定または再抗告裁判所の決定に対する場合だけであり、高等裁判所が第一審または最初の抗告審としてした決定に対しては、異議の申立は許されない。
事件番号: 昭和32(ヤ)5 / 裁判年月日: 昭和32年4月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】確定した決定に対する再審の申立ては、民事訴訟法(旧法)所定の再審事由を主張するものでない限り、適法な申立てとは認められず却下される。 第1 事案の概要:申立人は、仮処分申請却下決定に対する抗告却下決定(東京高裁昭和31年4月4日決定)及びこれに対する抗告却下決定(最高裁昭和31年6月29日決定)に…
事件番号: 昭和39(ク)19 / 裁判年月日: 昭和39年2月7日 / 結論: 却下
民訴法第四一九条ノ二は憲法第三二条に違背しない。