判旨
確定した決定に対する再審の申立ては、民事訴訟法(旧法)所定の再審事由を主張するものでない限り、適法な申立てとは認められず却下される。
問題の所在(論点)
確定した決定に対する再審の申立てにおいて、法定の再審事由を主張しない申立てが適法か否か。
規範
確定した決定に対する再審の申立て(民事訴訟法第349条、旧法429条)が適法と認められるためには、同法第338条第1項(旧法420条1項)各号に規定される再審事由を具体的に主張することを要する。
重要事実
申立人は、仮処分申請却下決定に対する抗告却下決定(東京高裁昭和31年4月4日決定)及びこれに対する抗告却下決定(最高裁昭和31年6月29日決定)に対し、再審の申立てを行った。しかし、申立人の主張内容は、旧民事訴訟法420条1項各号(現在の338条1項各号)に規定される再審事由に該当するものではなかった。
あてはめ
本件申立人の主張を検討するに、旧民事訴訟法429条により準用される同法420条1項各号(現行法338条1項各号)に規定された事由を何ら主張していない。このように、法定の再審事由の主張を欠く再審の申立ては、申立権の適正な行使としての要件を満たさないといえる。
結論
本件再審の申立ては、法定の再審事由を主張するものではないため、不適法として却下する。
実務上の射程
決定に対する再審の申立てであっても、判決に対する再審の規定が準用される結果、法定の再審事由(現行民訴法338条1項各号)の具備が不可欠であることを示す。実務上、決定に対する不服申立てとしての再審構造を確認する際に参照される。
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