判旨
最高裁判所の決定に対する再審の申立てにおいて、判断遺脱等の再審事由が認められない場合には、当該申立ては理由がないものとして却下される。
問題の所在(論点)
最高裁判所の決定に対する再審申立てにおいて、主張された判断遺脱が認められない場合に、どのような裁判がなされるべきか。
規範
民事訴訟法上の再審の訴え(または準再審)の規定を準用し、確定した判断に判断遺脱等の法定の再審事由(現行法338条1項各号等)が認められるか否かを判断枠組みとする。法定の事由が認められない限り、確定した裁判の効力を覆すことはできない。
重要事実
申立人らは、裁判官忌避申立てを却下した決定に対する抗告棄却決定に対し、さらに抗告(特別抗告等)をしたが却下された。この最高裁判所による抗告却下決定に対し、申立人らは「判断遺脱がある」と主張して再審を申し立てた。
あてはめ
申立人は原決定に判断遺脱があると主張するが、当該決定の内容を精査しても、所論のような判断遺脱等の再審事由は一切認められない。したがって、適法な再審事由を欠く申立てであるといえる。
結論
本件再審の申立てを却下する。
実務上の射程
最高裁の決定(抗告却下等)に対する再審の可否についての簡潔な先例である。答案上は、確定した決定に対する不服申立てとして、法定の再審事由がない場合には門前払い(却下)されることを示す際に参照し得る。
事件番号: 昭和28(ク)221 / 裁判年月日: 昭和28年9月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告理由は、憲法適合性に関する判断の不当性を主張するものに限られ、単なる事実誤認や独自の憲法解釈を前提とした判断の非難は適法な理由に当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、裁判官に裁判の公正を妨げる事情が認められないとした原決定に対し、最高裁判所に抗告を申し立てた。抗告人はその…
事件番号: 昭和28(ク)176 / 裁判年月日: 昭和28年9月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特別の定めがある場合に限られ、民事事件においては憲法適合性の判断に関する不服申し立て(特別抗告)のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級審の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。抗告人は、原決定(下級審の判断)が憲法に適合…
事件番号: 昭和31(ク)233 / 裁判年月日: 昭和31年9月14日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)の特別抗告に限定される。憲法違反を主張しても、その実質が単なる事実誤認の主張にすぎない場合は、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:抗告人は、裁判官の…
事件番号: 昭和32(ヤ)5 / 裁判年月日: 昭和32年4月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】確定した決定に対する再審の申立ては、民事訴訟法(旧法)所定の再審事由を主張するものでない限り、適法な申立てとは認められず却下される。 第1 事案の概要:申立人は、仮処分申請却下決定に対する抗告却下決定(東京高裁昭和31年4月4日決定)及びこれに対する抗告却下決定(最高裁昭和31年6月29日決定)に…
事件番号: 昭和32(ヤ)12 / 裁判年月日: 昭和32年11月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の抗告却下決定に対する再審の申立てにおいて、原決定の判断に遺脱があるとの主張がなされたが、原決定の判断は相当であり判断遺脱には当たらないとして、申立てが却下された事例である。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が昭和32年6月11日に行った抗告却下の決定(昭和32年(ク)第78号競落…