民訴法第四一九条ノ二は憲法第三二条に違背しない。
民訴法第四一九条ノ二と憲法第三二条。
民訴法419条ノ2,憲法32条
判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行336条等)の規定がこれに当たる。このような裁判権の制限を定める裁判所法及び民訴法の規定は、憲法32条に違反しない。
問題の所在(論点)
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を持つ範囲、および裁判権を限定する裁判所法7条2号や民訴法の規定が憲法32条に違反しないか。
規範
最高裁判所の抗告裁判権は、訴訟法において特に最高裁判所への抗告申し立てが許容されている場合に限定される。また、このように上訴の権限を法律により限定することは、憲法32条が保障する裁判を受ける権利を侵害するものではない。
重要事実
抗告人が、最高裁判所に対し民事事件に関する抗告を申し立てた。本件において、当該抗告が法律上特に認められた類型に該当するか、あるいは最高裁判所の裁判権を限定する規定が憲法32条に反し無効であるかが問題となった。
あてはめ
事件番号: 昭和36(ク)181 / 裁判年月日: 昭和37年12月25日 / 結論: 却下
恩給法第一一条第三項所定の恩給受給権の差押禁止が憲法第一四条第一項に違反する旨の主張は、特別抗告適法の理由とならない。
民事事件において最高裁判所が裁判権を持つのは、民訴法419条の2(現行336条等)に定められた場合に限られる。本件抗告はこれに該当せず、また裁判権の範囲を限定する裁判所法7条2号等は、憲法32条に違背しないとする累次の大法廷判例の趣旨に照らし、合憲であると解される。
結論
本件抗告は裁判権の範囲外の申し立てであり、不適法である。したがって、本件抗告を却下する。
実務上の射程
最高裁判所への特別抗告や許可抗告以外の抗告(直接の抗告申し立て)が原則として認められないことを示す。上訴権の制度設計が立法府の広範な裁量に委ねられていることを前提とした合憲判決として、民事訴訟法上の不服申立制度の合憲性を論じる際の基礎となる。
事件番号: 昭和26(ク)21 / 裁判年月日: 昭和26年4月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事訴訟法(旧法)419条の2に基づき、憲法判断の不当を理由とする場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由は、原決定において憲法適合性に関する判断がなされた点についての不服を内容とする…
事件番号: 昭和42(ク)28 / 裁判年月日: 昭和42年3月29日 / 結論: 却下
高等裁判所が抗告審としてなした決定に対し、民訴法第四一三条による再抗告は許されない。
事件番号: 昭和35(ク)36 / 裁判年月日: 昭和35年2月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法が特別に認めた場合に限られ、旧民訴法419条の2(現行337条)の特別抗告の要件を満たさないものは不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、下級審の判断に対し最高裁判所へ抗告を申し立てた。抗告人はその理由として憲法違反を主張していたが、その…
事件番号: 昭和33(ク)211 / 裁判年月日: 昭和33年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法により特別に認められた場合に限られ、憲法違反の主張があっても具体的理由の示唆がない場合は不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、本件抗告において憲法違反を主張して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の中では、具体的にどのような事由が…