恩給法第一一条第三項所定の恩給受給権の差押禁止が憲法第一四条第一項に違反する旨の主張は、特別抗告適法の理由とならない。
恩給受給権の差押禁止が憲法第一四条第一項に違反する旨の主張は特別抗告適法の理由となるか。
恩給法11条3項,民訴法618条1項5,民訴法618条2項,民訴法419条ノ2第1項,憲法14条1項
判旨
最高裁判所が抗告について裁判権を有するのは、民事訴訟法等の訴訟法において特に許容された場合に限定される。憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反や立法の非難にすぎない場合は、特別抗告の適法な理由には当たらない。
問題の所在(論点)
民事事件において最高裁判所が抗告を受理し、裁判権を行使できる範囲が問題となる。特に、憲法違反を名目とした抗告が、実質的に法令違反の主張にすぎない場合に、適法な抗告として受理されるかが争点となった。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られる。民事事件においては、旧民事訴訟法419条の2(現行民訴法336条1項に相当)に定める憲法違反を理由とする特別抗告のみがこれに該当する。
重要事実
抗告人が、下級審の判断に対し、憲法違反を理由として最高裁判所に抗告を申し立てた事案である。しかし、当該抗告の内容を検討したところ、形式的には違憲を主張しているものの、その実質的な内容は法令の適用に誤りがあるとする法令違反の主張や、法令の立法自体に対する非難であった。
事件番号: 昭和33(ク)284 / 裁判年月日: 昭和33年10月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を持つのは、訴訟法において特別に許容された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)所定の憲法違反の主張がなされていない限り、抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人は、原…
あてはめ
最高裁判所の裁判権は、法が限定的に認めた特別抗告の事由がある場合にのみ認められる。本件において抗告人が主張する事由は、文言上は「違憲」としているものの、具体的な憲法適合性の判断を求めるものではなく、下級審の法令解釈の誤りや立法政策への不満を述べるにすぎない。これは、旧民訴法419条の2が定める適法な抗告理由(憲法違反)の実質を欠いていると評価される。
結論
本件抗告は、最高裁判所に対する適法な抗告の要件を満たさないため、不適法として却下される。
実務上の射程
特別抗告の事由(現行民訴法336条1項)における「憲法違反」の主張は、実質を伴う必要があることを示す。単なる法令違反を憲法違反と称して申し立てても、不適法却下を免れないという実務上の運用を裏付ける判例である。
事件番号: 昭和39(ク)19 / 裁判年月日: 昭和39年2月7日 / 結論: 却下
民訴法第四一九条ノ二は憲法第三二条に違背しない。
事件番号: 昭和34(ク)34 / 裁判年月日: 昭和34年3月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定される。民事事件においては、特別抗告(旧民事訴訟法419条の2、現行336条)の事由がある場合に限り、最高裁判所への抗告が適法となる。 第1 事案の概要:抗告人が原決定(詳細は判決文からは不明)に不服を申し立て、最高…
事件番号: 昭和33(ク)211 / 裁判年月日: 昭和33年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法により特別に認められた場合に限られ、憲法違反の主張があっても具体的理由の示唆がない場合は不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、本件抗告において憲法違反を主張して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の中では、具体的にどのような事由が…
事件番号: 昭和28(ク)176 / 裁判年月日: 昭和28年9月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特別の定めがある場合に限られ、民事事件においては憲法適合性の判断に関する不服申し立て(特別抗告)のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級審の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。抗告人は、原決定(下級審の判断)が憲法に適合…