高等裁判所が抗告審としてなした決定に対し、民訴法第四一三条による再抗告は許されない。
高等裁判所の抗告審の決定と民訴法第四一三条
民訴法413条
判旨
高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、憲法違背を理由とする場合を除き、最高裁判所に抗告を提起することはできない。
問題の所在(論点)
高等裁判所が抗告審としてした決定に対し、憲法違背以外の理由で最高裁判所へ再抗告をすることが認められるか(裁判所法7条2号、旧民訴法419条の2の解釈)。
規範
高等裁判所の決定(第一審・第二審を問わず)に対する最高裁判所への抗告は、憲法違背を理由とする場合に限定される。したがって、高等裁判所が抗告審としてなした決定に対し、特別の法的根拠なく再抗告を認めることはできない。
重要事実
抗告人は、高等裁判所が抗告審として下した決定に対し、民訴法(旧法)413条に基づき最高裁判所への再抗告を申し立てた。原審(高裁)はこれを認めなかったため、抗告人はその判断の法律解釈に誤りがあるとして最高裁に抗告した。
あてはめ
事件番号: 昭和28(ク)56 / 裁判年月日: 昭和28年5月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告(特別抗告)の理由は、憲法適合性に関する判断の不当性に限られ、単なる法令違背や事実誤認を主張することは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、競売物件と抵当物件の同一性の有無、および競売申立てが契約の趣旨や民法等に抵触するか否かについて、原審の判断を争い、最高裁判所に対し…
裁判所法7条2号および民訴法419条の2の規定に照らせば、高等裁判所の決定に対する最高裁への不服申立ては憲法違反を理由とする場合に限られている。本件において、抗告人が主張する法律解釈の誤りは、同条が規定する限定的な抗告理由(憲法違背)に該当しない。したがって、原審が再抗告を認めなかった判断に誤りはない。
結論
高等裁判所が抗告審としてなした決定に対し、憲法違背以外の理由での再抗告は不適法であり、却下される。
実務上の射程
本判決は旧法下のものであるが、現行法における特別抗告(民訴法336条)および許可抗告(同337条)の枠組みを理解する上での基礎となる。高裁の決定に対する最高裁への不服申立ては、法定の限定的な事由が必要であるという不服申立ての制限原則を認めたものといえる。
事件番号: 昭和38(ク)332 / 裁判年月日: 昭和38年10月11日 / 結論: その他
競売手続開始決定に対する異議申立の棄却決定に対しては、民訴法第五五八条、裁判所法第一六条第二号により高等裁判所に即時抗告をすることができるのであり、このように不服申立ができる場合には、たとい原決定に憲法解釈の誤りがあることその他憲法の違背あることを理由としても、民訴法第四一九条ノ二による特別抗告の申立は許されない。
事件番号: 昭和25(ク)16 / 裁判年月日: 昭和25年11月13日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民事訴訟法419条の2(現行336条)所定の特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人は最高裁判所に対し抗告を申し立てたが、その抗告理由が憲法適合性に関する判断の不当性を主張するものではなか…
事件番号: 昭和25(ク)85 / 裁判年月日: 昭和25年9月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条1項)が定める特別抗告の場合に限られ、同413条(現行329条3項)に基づく再抗告は認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その申立…
事件番号: 昭和26(ク)142 / 裁判年月日: 昭和26年8月25日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる法令解釈の不当を憲法違反と主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定が財産権や裁判を受ける権利を侵害するものであると主張して、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その実質的な内容は、原…