判旨
最高裁判所に対する抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる法令解釈の不当を憲法違反と主張するものは不適法である。
問題の所在(論点)
民事事件において最高裁判所への抗告が許容される要件、および単なる法令解釈の誤りを「憲法違反」と主張して申し立てる抗告の適法性。
規範
最高裁判所が抗告について裁判権を有するのは、訴訟法上特に認められた場合に限られる。民事事件における最高裁判所への抗告(特別抗告)は、原決定における憲法解釈の誤り(憲法適合性に関する判断の不当)を理由とする場合に限定され、通常の法令違反を理由とする抗告規定は適用されない。
重要事実
抗告人は、原決定が財産権や裁判を受ける権利を侵害するものであると主張して、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その実質的な内容は、原審による法令の解釈や適用に関する見解を非難するものであった。
あてはめ
本件の抗告理由は、財産権侵害等の憲法違反を主張しているものの、その実体は原審の法令解釈を非難するにすぎない。これは原決定における憲法適合性の判断を争うという特別抗告の要件を満たしておらず、違憲に名を借りた単なる法令解釈の争いといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
特別抗告(現行民事訴訟法336条1項)の申立理由が憲法違反に限定されることを示した重要な判例である。実務上、単なる事実誤認や法令違反を無理に憲法問題に引き付けて構成しても、適法な抗告理由とは認められないことを示唆している。
事件番号: 昭和26(ク)248 / 裁判年月日: 昭和26年12月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告の管轄権を有するのは、訴訟法が特別に認めた場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)のみが認められる。したがって、同条所定の憲法判断の不当を理由としない抗告は、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの決定に対し最高裁判…
事件番号: 昭和26(ク)84 / 裁判年月日: 昭和26年6月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法(旧法)の規定に基づき、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限定され、それ以外の理由による抗告は裁判権の欠如により不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの民事事件に関する原決定に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その申立理由の内容…
事件番号: 昭和26(ク)211 / 裁判年月日: 昭和26年11月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律に特別の定めがある場合に限られ、その理由は憲法違反の判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定が法律、命令、規則又は処分についてした憲法適合性の判断が不当で…
事件番号: 昭和25(ク)34 / 裁判年月日: 昭和26年6月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特別に認めた場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(競売手続き等に関する決定と推察される)に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。その抗告理由は、競売目的物の同一性に…
事件番号: 昭和26(ク)236 / 裁判年月日: 昭和26年12月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)の特別抗告のみがこれに該当する。したがって、憲法違反を理由としない抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(詳細は判決文からは…