判旨
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法が特別に認めた場合に限られ、旧民訴法419条の2(現行337条)の特別抗告の要件を満たさないものは不適法となる。
問題の所在(論点)
民事事件において最高裁判所が抗告裁判権を有するための要件、および実質的に単なる法令違反にすぎない主張が「憲法違反」を理由とする特別抗告の要件を満たすか。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を持つのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告を申し立てることが許された場合に限られる。民事事件においては、憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2、現行337条1項)のみがこれに該当する。
重要事実
抗告人は、下級審の判断に対し最高裁判所へ抗告を申し立てた。抗告人はその理由として憲法違反を主張していたが、その具体的内容を検討すると、実質的には単なる訴訟法の違背を主張するものであった。
あてはめ
最高裁判所が管轄権を有するのは、形式的に憲法違反を主張するだけでなく、それが実質的にも憲法問題を含む場合に限られる。本件において、抗告人の主張は「違憲」という語を用いているものの、その実質は単なる訴訟法の適用誤り等の違背をいうにすぎない。したがって、旧民訴法419条の2に定める特別抗告の適法な理由には当たらないと解される。
結論
本件抗告は適法な抗告理由を欠き、不適法であるため却下される。
実務上の射程
特別抗告の適法性の判断において、主張の形式ではなく実質を重視する姿勢を示すものである。答案上は、最高裁への不服申立てが制限されている趣旨(法律審・憲法裁判所的性格)を説明する際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和25(ク)42 / 裁判年月日: 昭和25年6月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかの判断を不当とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を指摘するものではなかった。…
事件番号: 昭和25(ク)109 / 裁判年月日: 昭和26年2月3日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては特別抗告(民訴法336条、旧419条の2)のみがこれに該当する。したがって、最高裁判所に対する抗告理由は、原決定における憲法適合性の判断の不当性を主張するものに限られる。 第1 事案の概要:抗告人が最高…
事件番号: 昭和25(ク)144 / 裁判年月日: 昭和26年2月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行336条1項)に規定する憲法判断の不当を理由とする抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して民事事件の抗告を申し立てた事案。しかし、その抗告理由におい…
事件番号: 昭和25(ク)106 / 裁判年月日: 昭和25年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、その抗告理由が、原決定における憲法適合性の判断の不当を指摘するもので…
事件番号: 昭和33(ク)164 / 裁判年月日: 昭和33年7月10日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)に規定する特別抗告の要件を満たさないものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し、憲法違反を主張して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由…