現行法上決定に対する異議の認められるのは、最高裁判所が特別抗告についてした決定または再抗告裁判所の決定に対する場合だけであり、高等裁判所が第一審または最初の抗告審としてした決定に対しては、異議の申立は許されない。
高等裁判所が第一審または最初の抗告審としてした決定に対する異議申立の許否
民訴法419条ノ3,民訴法419条ノ2,民訴法409条ノ4,民訴法414条,民訴法413条
判旨
高等裁判所が第一審または抗告審としてした決定に対し、民事訴訟法上の異議の申立てをすることは許されない。
問題の所在(論点)
高等裁判所が第一審または抗告審としてした「決定」に対し、民事訴訟法上の異議の申立てが許されるか(現行民事訴訟法における決定に対する不服申立ての範囲)。
規範
訴訟法は、判決と決定を区別し、決定については簡易迅速な手続を予定している。不服申立てについても、決定に対するものは極めて制限的であり、各条文で明示されている場合等に限られる。したがって、判決に特有の不服申立てに関する規定は、特別の明文がない限り決定に準用することはできない。
重要事実
抗告人は、高等裁判所が抗告審としてした決定に対し、民事訴訟法上の異議の申立て(旧法下の判決に対する異議申立て等に相当する主張)を行った。これに対し、原裁判所が当該申立てを却下したため、抗告人はこれを不服として最高裁判所に抗告した。
事件番号: 昭和25(ク)68 / 裁判年月日: 昭和25年7月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告裁判権を有するのは、法律により特に許された場合に限られ、その抗告理由は原決定における憲法判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対し民事事件の抗告を申し立てた事案。抗告人は、旧民訴法413条が準用されることを前提とした抗告理由を主張していたが、…
あてはめ
現行法上、決定に対する異議が認められるのは、最高裁判所の特別抗告・再抗告に対する決定等の例外的な場合に限られる。本件で抗告人が対象としたのは高等裁判所の抗告審としての決定であり、法律にこれを認める明文の規定はない。また、判決に対する慎重な不服申立手続を、迅速性が求められる決定に当然に類推適用することは法の趣旨に反する。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。高等裁判所の決定に対する異議の申立ては認められない。
実務上の射程
民事訴訟手続における「判決」と「決定」の性質の差異を強調する際の基礎判例。決定に対する不服申立ては法定の類型(抗告等)に限られ、判決に対する制度を安易に類推できないことを示す。実務上、不服申立ての可否を検討する際の厳格な解釈指針となる。
事件番号: 昭和25(ク)81 / 裁判年月日: 昭和25年9月30日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定され、民事事件においては憲法違反の判断を不当とする特別抗告のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、当該抗告の理由において、原決定における法律、命令、規則又は処分…
事件番号: 昭和26(ク)3 / 裁判年月日: 昭和26年5月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事事件においては旧民訴法419条の2に定める特別抗告(憲法問題が含まれるもの)に限定され、一般の抗告規定の準用は認められない。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級審の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。記録上、本件の抗告理由は原決定における憲…
事件番号: 昭和25(ク)63 / 裁判年月日: 昭和25年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、特別の定めがある場合に限られ、その抗告理由は原決定における憲法判断の不当性に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定における憲法判断の不当性については主張されてい…
事件番号: 昭和25(ク)10 / 裁判年月日: 昭和25年2月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法第419条の2(現行336条)に基づき、原決定における憲法適合性の判断の不当を理由とする場合に限られ、その他の理由は認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定が法律、命令、規則又…