判旨
最高裁判所のなした決定に対して異議を申し立てることは許されない。また、準再審の申し立てであっても、再審事由に該当しないことが明らかな場合は不適法として却下される。
問題の所在(論点)
最高裁判所がなした決定に対し、異議の申し立てを行うことは可能か。また、仮に当該申し立てを準再審の申し立てと解した場合、どのような要件で適法性が判断されるか。
規範
最高裁判所の決定は終局的な判断であり、これに対して更なる異議を申し立てる制度は存在しない。また、準再審(民事訴訟法349条等参照)としての性質を有する場合であっても、申立書の内容が法定の再審事由(同法338条1項各号等)のいずれにも該当しないことが形式上明らかであるときは、申立ては不適法となる。
重要事実
申立人は、最高裁判所が既になした決定に対して異議を申し立てた。当該申立ては形式的には「異議の申立て」とされていたが、その実質が準再審の申し立てである可能性も含めて検討された事案である。
あてはめ
まず、最高裁判所の決定に対する異議申し立てについては、法にその根拠がなく許されない。次に、本件申し立てを準再審の申し立てと善解したとしても、申立書の記載内容を検討するに、法定の再審事由のいずれにも該当しない。したがって、申立書自体に照らして適法な申し立てとは認められないというべきである。
結論
本件異議の申し立ては不適法であるため、却下する。
実務上の射程
最高裁判所の判断の確定性と終局性を端的に示す判例である。答案上は、特別抗告や再審以外の不服申立ての制限を論じる際の根拠として活用できる。特に「異議」という名称の申立てが制度上存在しないこと、及び準再審の形式要件(再審事由の主張)の具備が必要であることを短文で指摘する際に有用である。
事件番号: 昭和32(ヤ)5 / 裁判年月日: 昭和32年4月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】確定した決定に対する再審の申立ては、民事訴訟法(旧法)所定の再審事由を主張するものでない限り、適法な申立てとは認められず却下される。 第1 事案の概要:申立人は、仮処分申請却下決定に対する抗告却下決定(東京高裁昭和31年4月4日決定)及びこれに対する抗告却下決定(最高裁昭和31年6月29日決定)に…
事件番号: 昭和30(ヤ)5 / 裁判年月日: 昭和30年9月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の決定に対する再審の申立てにおいて、判断遺脱等の再審事由が認められない場合には、当該申立ては理由がないものとして却下される。 第1 事案の概要:申立人らは、裁判官忌避申立てを却下した決定に対する抗告棄却決定に対し、さらに抗告(特別抗告等)をしたが却下された。この最高裁判所による抗告却下決…
事件番号: 昭和31(ク)28 / 裁判年月日: 昭和31年3月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告において、憲法違反を理由としない不適法な申立てに対し、原裁判所が却下決定を行うことは憲法32条に違反せず、民事訴訟法の規定に照らし適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所が昭和30年7月5日に行った決定に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、当該抗告の理由は憲…
事件番号: 昭和32(ク)182 / 裁判年月日: 昭和32年9月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは法律に特別の定めがある場合に限られ、特別抗告の理由とされる憲法違反の主張も、原決定が認めていない事実を前提とする場合は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人らは、裁判所書記官が適法な裁判官忌避申立ての受理を拒否したことが憲法32条に違反すると主…
事件番号: 昭和32(ク)222 / 裁判年月日: 昭和32年12月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】裁判官の忌避の申立てを却下する決定に対しては、刑事訴訟法432条、428条2項により、特別抗告をすることはできない。 第1 事案の概要:裁判官に対する忌避の申立てについて、裁判所がこれを却下する決定を行った。これに対し、抗告人が最高裁判所に対して抗告(特別抗告)を申し立てた事案である。 第2 問題…