判旨
裁判官の忌避の申立てを却下する決定に対しては、刑事訴訟法432条、428条2項により、特別抗告をすることはできない。
問題の所在(論点)
裁判官の忌避申立てを却下する決定に対し、最高裁判所への特別抗告が許されるか。刑事訴訟法432条、428条2項の適用範囲が問題となる。
規範
刑事訴訟法432条が準用する同法428条2項は、抗告裁判所の決定に対しては重ねて抗告をすることができないと定めている。また、同法433条1項の特別抗告は、高等裁判所がした決定等で、他に不服申立の方法がないものに限定される。
重要事実
裁判官に対する忌避の申立てについて、裁判所がこれを却下する決定を行った。これに対し、抗告人が最高裁判所に対して抗告(特別抗告)を申し立てた事案である。
あてはめ
本件における忌避申立て却下の決定は、刑事訴訟法上の抗告に関する規定が準用される。同法428条2項は「抗告裁判所の決定に対しては、重ねて抗告をすることができない」と明示しており、この規定が432条により準用される結果、本件決定に対する不服申し立ては法律上封じられているといえる。したがって、本件抗告は適法な申立てとしての要件を欠く。
結論
本件抗告は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
裁判手続中の派生的な決定(忌避却下など)について、迅速な手続進行の観点から不服申立てを限定する趣旨と解される。刑事訴訟手続における決定の確定時期や、上訴不可の原則を確認する際に参照すべきである。
事件番号: 昭和32(ク)200 / 裁判年月日: 昭和32年10月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法32条の裁判を受ける権利は審級等の具体的内容を法律に委ねているため、上告理由書を提出しなかった場合に裁判所が決定で上告を却下する規定は合憲である。また、上告理由は書面自体に記載すべきであり、他事件の上告理由書を援用することは許されない。 第1 事案の概要:抗告人(上告人)は、民事訴訟法が定める…
事件番号: 昭和34(ク)84 / 裁判年月日: 昭和37年1月22日 / 結論: 棄却
上告理由書を原裁判所に提出せしめ、提出期間徒過の場合に原審において上告却下の裁判をすることは、憲法第三二条に違反しない。
事件番号: 昭和32(ク)182 / 裁判年月日: 昭和32年9月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは法律に特別の定めがある場合に限られ、特別抗告の理由とされる憲法違反の主張も、原決定が認めていない事実を前提とする場合は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人らは、裁判所書記官が適法な裁判官忌避申立ての受理を拒否したことが憲法32条に違反すると主…
事件番号: 昭和40(ク)328 / 裁判年月日: 昭和42年3月6日 / 結論: 棄却
民訴法第四一九条ノ二、裁判所法第七条第二号の規定は、憲法第三二条に違反しない。
事件番号: 昭和33(ク)211 / 裁判年月日: 昭和33年9月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法により特別に認められた場合に限られ、憲法違反の主張があっても具体的理由の示唆がない場合は不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、本件抗告において憲法違反を主張して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の中では、具体的にどのような事由が…