判旨
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限られる。民事事件においては、憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)に該当しない限り、不適法として却下される。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告(特別抗告)が適法と認められるための要件、および実質的に単なる法令解釈の誤りを主張するに過ぎない抗告理由が憲法違反の主張として認められるか。
規範
最高裁判所が抗告について裁判権を行使できるのは、法律により特別に認められた場合に限定される。具体的には、民事事件においては、原決定に憲法違反があることを理由とする特別抗告の要件を満たす必要がある。
重要事実
抗告人は、競売法に基づく競売手続に関連し、原審の判断に憲法違反がある旨を主張して最高裁判所に抗告を申し立てた。抗告理由は、旧民訴法670条1項の解釈に関する不服、および旧民訴法673条が競売法による競売に準用されないことへの不服を憲法問題に擬して主張するものであった。
あてはめ
抗告人の主張のうち、第一点は原審の解釈を正しく理解していないことによる失当な主張であり、第二点は競売法23条2項に基づき民訴法673条が準用されないという法的帰結を前提とするものである。これらはいずれも実質的には単なる法律解釈の問題であって、憲法違反という前提を欠く。したがって、旧民訴法419条の2(現在の民訴法336条に相当)に定められた適法な抗告理由には当たらないと解される。
結論
本件抗告は、最高裁判所が裁判権を有する適法な抗告の要件を満たさないため、不適法として却下される。
実務上の射程
事件番号: 昭和31(ク)253 / 裁判年月日: 昭和31年10月25日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告が認められるのは法律が特に許容する場合に限られ、憲法違反を理由とする場合であっても、原審が認定していない事実を前提とする主張は、適法な違憲の主張とはいえず不適法である。 第1 事案の概要:本件において抗告人は、競売手続における執行吏の行為が憲法に違反する旨を主張して抗告した。しか…
憲法違反を主張して最高裁に申し立てる特別抗告において、実質が単なる法令解釈の誤りや事実誤認の主張にすぎない場合は、適法な抗告理由と認められず却下されるという実務上の運用を確認するものである。
事件番号: 昭和32(ク)192 / 裁判年月日: 昭和32年10月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)に定められた特別抗告の場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。抗告人は憲法違反を名目に掲げているが、その実質的な内容は原決定の手続違反を主張する…
事件番号: 昭和26(ク)171 / 裁判年月日: 昭和26年10月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては特別抗告(旧民訴法419条の2)のみがこれに該当する。したがって、憲法適合性の判断の不当を理由としない最高裁判所への抗告は、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が、下級裁判所の決定に対し、…
事件番号: 昭和26(ク)172 / 裁判年月日: 昭和26年9月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、憲法適合性に関する判断を不当とするものでは…
事件番号: 昭和26(ク)170 / 裁判年月日: 昭和26年9月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては民事訴訟法419条の2(現336条)に定める憲法違反を理由とする特別抗告のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由は、原決定において法律、…