判旨
最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特に許容された場合に限られ、旧民訴法419条の2(現行民訴法327条等)が定める憲法違反等を理由とする特別抗告等の場合に限定される。
問題の所在(論点)
民事事件において、最高裁判所に対し直接抗告を申し立てることができる範囲(裁判権の有無)が問題となる。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることが許容されている場合に限られる。民事事件においては、憲法違反等を理由とする特別の規定(旧民事訴訟法419条の2、現行法327条・336条等参照)に該当する場合のみがこれに当たる。
重要事実
抗告人が、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、当該抗告の理由は原決定の憲法違反を主張するものではなく、法律が定める最高裁判所への抗告申立事由に該当しないものであった。
あてはめ
最高裁判所に抗告し得る場合は、法律により限定的に定められている。本件抗告は、当時の民事訴訟法419条の2に規定された憲法違反を理由とするものではなく、他に最高裁判所が裁判権を持つべき特段の法的根拠も認められない。したがって、適法な抗告の要件を満たしていないといえる。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁への不服申立てが極めて限定的(憲法違反または判例違反等)であることを示す。実務上、通常の抗告(高裁への抗告)と特別抗告・許可抗告の区別を明確にする際に参照されるが、本判決自体は極めて簡潔な形式的判断に留まる。
事件番号: 昭和31(ク)74 / 裁判年月日: 昭和31年4月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、民事訴訟法(当時)419条の2に規定される特別抗告の要件を満たす場合に限られる。形式的に違憲を主張しても、その実質が単なる手続規定の違背を主張するものである場合には、適法な特別抗告として認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、原審の決定に対…
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…
事件番号: 昭和34(ク)81 / 裁判年月日: 昭和34年5月11日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、訴訟法により特別に認められた場合に限られ、旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)所定の事由がない限り不適法となる。 第1 事案の概要:抗告人は、ある民事事件の裁判に対し、憲法違反を理由として最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由…
事件番号: 昭和31(ク)233 / 裁判年月日: 昭和31年9月14日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)の特別抗告に限定される。憲法違反を主張しても、その実質が単なる事実誤認の主張にすぎない場合は、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:抗告人は、裁判官の…
事件番号: 昭和31(ク)112 / 裁判年月日: 昭和31年5月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許された場合に限られ、民事事件では民事訴訟法旧419条の2(現行336条)所定の抗告に限られる。抗告理由に「違憲」の文言があっても、その実質が事実認定の不当を争うものである場合は、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:抗告人は…