判旨
原審において特定の主張をしなかった理由がどのようなものであっても、そのこと自体は民事訴訟法395条4号(現行312条2項4号)の不法な構成の事由には当たらない。
問題の所在(論点)
原審において特定の主張を行わなかった理由がある場合、それが「法律の規定に従って判決裁判所を構成しなかったとき」(旧民訴法395条4号、現行312条2項4号)に該当するか。
規範
民事訴訟法395条4号(現行312条2項4号)にいう「法律の規定に従って判決裁判所を構成しなかったとき」とは、裁判官の定員や資格、除斥・忌避等の組織法上の不備を指すものであり、当事者の主張の有無やその理由といった訴訟手続上の態様はこれに含まれない。
重要事実
上告人は、原審において特定の主張(論旨一、二)を行わなかった。上告人は、その主張を行わなかったことについて正当な理由があると主張し、これが民訴法395条4号の絶対的上告理由に該当すると主張して上告を申し立てた。
あてはめ
上告人が主張する「原審で主張しなかった理由」は、あくまで当事者の攻撃防御上の事情に過ぎない。判決裁判所の構成に関する組織的な不備(裁判官の適格性や定数等の瑕疵)とは無関係であるため、同号の定める上告理由には該当しないと判断される。
結論
本件上告は棄却される。原審での主張の不提出に理由があっても、判決裁判所の構成が不法であるとはいえない。
実務上の射程
絶対的上告理由である「裁判所の構成の不法」の限定的な解釈を示す。当事者の訴訟追行上の不手際や事情を同号に含めることはできないことを確認する趣旨で引用される。
事件番号: 昭和28(オ)344 / 裁判年月日: 昭和30年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づく上告理由の適法性について、上告理由が同法1号から3号のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人らは、下級審の判決を不服として最高裁判所に上告を提起した。し…