判旨
口頭弁論の再開に関する民事訴訟法上の規定は、裁判所の職権を定めたものであり、再開を命じるか否かは裁判所の合理的な裁量に委ねられる。
問題の所在(論点)
口頭弁論の再開の申立てに対し、裁判所がこれを容れずに審理を終了させることは、裁判所の裁量を逸脱した違法なものとなるか。
規範
口頭弁論の再開(民訴法153条、旧法133条)は、裁判所の職権行使を認める規定であり、当事者の申立てがあったとしても、これに応じるか否かは裁判所の裁量に属する事項である。したがって、特段の事情がない限り、再開の申立てを容れないことは適法である。
重要事実
本件において、上告人は原審に対して弁論再開の申立てを行ったが、原裁判所はこれを容れずに判決を下した。上告人は、特定の事情(詳細は判決文からは不明)に鑑みれば、弁論を再開しないことが違法であると主張して上告した。
あてはめ
本件における弁論再開に関する規定の性質に照らせば、再開の有無は裁判所の職権による裁量判断に委ねられている。上告人が主張する諸事情を考慮したとしても、原裁判所が裁量権を行使して再開の申立てを容れなかった判断は、裁量の範囲内にあるものと解される。したがって、手続上の違法は認められない。
結論
弁論再開を命じないことは裁判所の裁量に属するため、原審の措置は適法であり、上告は棄却される。
実務上の射程
弁論再開が裁判所の職権事項であることを明示した基本判例である。司法試験の答案上では、適時提出主義の例外や、当事者の手続的保障が問題となる場面で、裁判所の広範な裁量を根拠づける際に引用する。ただし、当事者に帰責事由がなく、かつ再開しなければ著しい不当を招くような例外的事態(裁量権の逸脱・濫用)がある場合には、結論が異なりうる点に留意が必要である。
事件番号: 昭和29(オ)841 / 裁判年月日: 昭和31年2月28日 / 結論: 棄却
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