判旨
不動産所有権確認の訴えにおいて原告の請求を棄却する判決が確定しても、当該不動産が被告の所有であることを確定するものではない。
問題の所在(論点)
不動産所有権確認の訴えにおいて、原告の請求を棄却する判決が確定した場合、その既判力によって当該不動産が被告の所有であることが確定するか(既判力の客観的範囲)。
規範
確認の訴えにおいて請求を棄却する判決の既判力は、原告に主張に係る権利が存在しないこと(権利の不存在)を確定させるにとどまり、反面として被告に当該権利が帰属することまでを確定させるものではない。
重要事実
原告(上告人)が被告(被上告人)に対し、不動産所有権の確認を求めて提訴した。原判決(二審)は、第一審判決を引用して被上告人の請求を認容すべきとしたが、その説示の中で、前訴での請求棄却判決が被告の所有権を確定する旨の判断を示していたため、上告人がその法的誤りを主張して上告した。
あてはめ
原判決が、前訴の請求棄却判決により被告の所有権が確定すると判示した点は、既判力の範囲を誤解したものであり不適切である。しかし、原判決は第一審判決の理由を引用して結論において被上告人の請求を認容しており、当該誤った説示は「不用の説示」にすぎない。したがって、この判断の誤りは判決の結論に影響を及ぼすものではなく、破棄理由には当たらない。
結論
請求棄却判決は被告の所有権を確定するものではないが、本件では原判決の結論に影響がないため上告を棄却する。
実務上の射程
既判力の客観的範囲(民訴法114条1項)に関する基本判例である。確認訴訟の敗訴判決は、単に「原告に権利がないこと」を確定するにすぎないことを明示したもので、答案作成上は、既判力の作用(消極的確認の帰結)を説明する際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和30(オ)669 / 裁判年月日: 昭和31年4月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民法1条3項の権利濫用の抗弁に関し、原審が認定した事実関係に基づき、当該権利の行使が濫用にあたらないとした判断は正当であり、違憲の主張も実質的には単なる法令解釈の不服にすぎない。 第1 事案の概要:本件において、上告人は相手方の請求に対し権利濫用の抗弁を主張したが、原審は当該事実関係の下でこの抗弁…