判旨
民法1条3項の権利濫用の抗弁に関し、原審が認定した事実関係に基づき、当該権利の行使が濫用にあたらないとした判断は正当であり、違憲の主張も実質的には単なる法令解釈の不服にすぎない。
問題の所在(論点)
民法1条3項の権利濫用の成否、および権利濫用の抗弁を排斥した原審の判断に法令解釈上の誤りがあるか。
規範
権利の行使が民法1条3項の権利濫用に該当するか否かは、当該権利行使の目的、行使によって権利者が得る利益、及び相手方が被る不利益等の諸事情を総合的に考慮して判断される。
重要事実
本件において、上告人は相手方の請求に対し権利濫用の抗弁を主張したが、原審は当該事実関係の下でこの抗弁を排斥した。上告人は、原判決の解釈適用が違法・違憲であると主張して上告した。なお、具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
原判決が認定した事実関係に照らせば、上告人の権利濫用の抗弁を排斥した判断は相当である。上告人が主張する違憲の論旨も、その実質は民法1条の解釈適用に関する不服に帰着するものであり、独自の憲法違反をいうものではない。また、証拠の採否や事実認定に関する非難は、適法な上告理由には当たらない。
結論
上告人の権利濫用の抗弁を排斥した原判決に違法はなく、本件上告は棄却される。
実務上の射程
具体的な事案は不明だが、権利濫用の成否は事実認定に基づく裁判所の裁量的判断が尊重される傾向にあることを示している。答案作成上は、民法1条の解釈適用が憲法問題に直結しないことの確認として参照し得る。
事件番号: 昭和27(オ)31 / 裁判年月日: 昭和28年5月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】解除権の行使が権利の濫用に当たるか否かは、事案の諸事情を総合的に考慮して判断される。本件では、被上告人による解除権の行使を権利の濫用ではないとした原審の判断を妥当とした。 第1 事案の概要:判決文からは詳細な事実関係は不明であるが、被上告人が解除権を行使したことに対し、上告人がその解除権の行使が「…