判旨
民事訴訟法157条1項に基づき、攻撃防御方法が重大な過失によって時機に遅れて提出され、かつ、それによって訴訟の完結を遅延させると認められる場合には、裁判所はこれを却下することができる。
問題の所在(論点)
当事者が提出した抗弁が、民事訴訟法157条1項(旧民訴法139条1項)にいう「故意又は重大な過失により時機に遅れて提出した攻撃又は防御の方法」に該当し、却下の対象となるか否か。
規範
攻撃防御方法の却下(民事訴訟法157条1項)が認められるためには、①当事者が「故意又は重大な過失」により「時機に遅れて」提出したこと、および②その提出を許すことにより「訴訟の完結を遅延させる」ことの要件を充足する必要がある。
重要事実
上告人は、訴訟の進行過程において特定の抗弁を提出したが、原審はこれが重大な過失により時機に遅れて提出されたものであると判断した。また、当該抗弁の提出を認めることは、訴訟の完結を不当に遅延させるものと認定された。
あてはめ
原審が判示した内容によれば、上告人の抗弁提出は「重大な過失」による「時機に遅れた」ものといえる。また、当該抗弁の審理を行うことは、既に機が熟した訴訟手続において「訴訟の完結を遅延させる」結果を招くと評価される。最高裁はこれらの原審の判断を正当として是認した。
結論
本件抗弁の却下は適法であり、上告は棄却される。
実務上の射程
適時提出主義の具体化として、遅延の意図のみならず「重大な過失」がある場合にも却下が可能であることを示す。実務上は、準備書面や証拠の提出が合理的な理由なく遅れた場合の制裁措置を検討する際の根拠となる。
事件番号: 昭和32(オ)381 / 裁判年月日: 昭和34年11月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】請求異議の訴えにおける異議の事由が、前訴において当然に主張し得たものである場合には、これを前訴で主張せず別途本訴で主張することは許されない。この理は、執行力の排除を求める債務名義が判決であるか公正証書であるかによって差異を生じない。 第1 事案の概要:上告人らは、債務名義の執行力排除を求めて請求異…