判旨
裁判所が当事者本人尋問の申立てを却下したとしても、他に証拠が存在する場合には、直ちに証拠調べの不実施としての違法を構成するものではない。
問題の所在(論点)
裁判所が当事者本人尋問の申立てを却下したことが、訴訟手続上の違法(証拠調べ義務違反等)に該当するか。
規範
裁判所は、証拠の採否について裁量権を有しており、既に他の証拠によって事実関係が十分解明されている場合や、立証の必要性がないと判断される場合には、特定の証拠調べ申立てを却下することができる。
重要事実
上告人は原審において当事者本人尋問の申立てを行ったが、原審はこれを却下し、他の証拠に基づいて事実認定を行った。上告人はこの手続上の決定に違法があるとして上告した。
あてはめ
本件において、原審が本人尋問の申立てを却下した時点で、既に他に証拠が存在していた。裁判所がこれら既存の証拠によって判断を下すに足りると解した以上、申立てを却下したことに違法があるとはいえない。
結論
本人尋問の申立てを却下しても、他に十分な証拠が存在する場合には適法である。
実務上の射程
裁判所の証拠採否の自由(民事訴訟法第181条1項)を再確認するものであり、実務上、唯一の証拠でない限り、却下決定が直ちに上告理由となることはないことを示している。
事件番号: 昭和31(オ)1021 / 裁判年月日: 昭和33年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所は、当事者が提出した新抗弁事実に対し、既存の証拠によってそれと相容れない事実が認定できる場合には、当該抗弁や証拠調べを必要ないものとして退けることができる。 第1 事案の概要:上告人は、原審の第一回口頭弁論において新たな抗弁事実を陳述し、その立証のために人証を申請した。しかし、原審は当該申請…