判旨
郵便送達報告書に受領者の署名・押印があり、かつその印影が他の適式な送達報告書のものと同一である場合には、反証のない限り、呼出状の送達は適式になされたものと認められる。
問題の所在(論点)
口頭弁論期日の呼出状の送達が適式に行われたといえるか。特に、郵便送達報告書の記載および押印から送達の事実を認定できるか。
規範
公務員が職務上作成した文書である郵便送達報告書の記載内容に基づき、特段の反証がない限り、当該報告書に記載された通りの送達の事実があったものと推認する。
重要事実
上告人は原審口頭弁論期日の呼出状が適式に送達されていないと主張した。記録上の郵便送達報告書には、上告人の住所において本人に呼出状を交付した旨が記載され、受領者欄に「A」の印が押されていた。この印影は、訴状および原判決正本の送達報告書に押捺された印影と同一であった。
あてはめ
本件郵便送達報告書には、上告人の住所において本人に交付された旨の具体的な記載がある。さらに、受領欄の印影が、争いのない他の送達(訴状・判決正本)の際の報告書にある印影と同一であることは、本人による受領を強く推認させる。これに対し、送達を否定するに足りる反証は提出されていない。したがって、報告書の記載通り適式な送達があったと評価できる。
結論
本件呼出状は適式に送達されたものと認められ、上告理由には理由がない。上告棄却。
実務上の射程
送達の適法性が争われる実務場面において、郵便送達報告書という公文書の証明力を確認したものである。答案上は、送達の効力や無効な送達に基づく判決の瑕疵が問題となる際、報告書の記載や印影の一致を根拠として適法な送達を認定する際の論理として活用できる。
事件番号: 昭和32(オ)831 / 裁判年月日: 昭和36年4月20日 / 結論: 破棄差戻
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事件番号: 昭和30(オ)900 / 裁判年月日: 昭和32年3月29日 / 結論: 棄却
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