判旨
商法511条2項により、商行為によって生じた債務を保証した者が連帯保証人となる場合、特約がない限り催告および検索の抗弁権を行使することはできない。
問題の所在(論点)
商行為によって生じた債務の保証人が、商法511条2項の規定にかかわらず、民法上の催告および検索の抗弁権(452条、453条)を行使できるか。
規範
商法511条2項は、商行為によって生じた債務につき保証があるときは、債務者および保証人が各別に、または共に債務を負担したときであっても、その債務は連帯債務となると規定している。したがって、商行為による債務の保証人は、当然に連帯保証人としての責任を負い、特約がない限り、民法452条および453条に定める催告および検索の抗弁権を有しない。
重要事実
上告人は、主債務の保証人であることを理由として、債権者に対し催告および検索の抗弁権を行使した。しかし、当該保証債務が商行為によって生じたものであること、および商法511条2項(現511条2項)の適用を排除する特約が存在した事実については、原審において主張されていなかった。
あてはめ
本件において上告人は単に保証人であることを理由に抗弁を主張しているが、商法511条2項によれば、商行為から生じた債務の保証は連帯保証となる。上告人はこの連帯性を排除する特約を主張立証していない以上、当然に連帯保証人としての責任を負うべきであり、通常の保証人に認められる催告・検索の抗弁権を主張することは認められない。
結論
商法511条2項の規定に基づき、保証人は連帯保証人としての責任を免れず、催告および検索の抗弁権を行使することはできない。
実務上の射程
商事保証の連帯性(商法511条2項)を確認した判例である。答案上は、保証債務の発生原因が商行為である場合、直ちに「商法511条2項により連帯保証となる」と指摘し、催告・検索の抗弁を封じるロジックとして使用する。特約による排除の可能性も示唆されているため、事案に特約の有無を確認する視点が重要となる。
事件番号: 昭和32(オ)491 / 裁判年月日: 昭和34年6月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不法行為または債務不履行に基づく損害賠償の算定において、公定価格制度が存在する場合、公定価格を超える部分は特別の事情による損害としての要件を欠く限り、賠償の対象とはならない。 第1 事案の概要:上告人(原告)は、本件醤油油の取引に関連して損害を被ったとして、相手方に対し損害賠償を請求した。その際、…