同種の債権を有する者一七名の代理人が、右債権につき一括して債務者以外の第三者との間に連帯保証契約を締結したことを原因とし、右第三者に対してその契約上の債務の履行を求める場合、右債権者一七名は、民訴第四七条第一項にいわゆる「共同ノ利益ヲ有スル多数者」に該当し、その当事者の選定は有効と解すべきである
当事者選定の効力の認められた一事例
民訴法47条1項
判旨
旧民事訴訟法47条1項(現行法29条)の「共同の利益を有する多数者」とは、訴訟の目的たる権利が各当事者につき同一の事実上および法律上の原因に基づき、かつ主要な攻撃防御方法が共通である場合を指す。
問題の所在(論点)
多数の当事者が選定当事者を選定する要件である「共同の利益を有する多数者」の意義、および訴訟の目的たる権利が同一の原因に基づき攻撃防御方法が共通する場合に当該要件を満たすか。
規範
選定当事者の要件である「共同の利益を有する多数者」(現行民事訴訟法29条)とは、多数者の間に訴訟の目的である権利又は義務が共通であるか、あるいは訴訟の目的である権利又は義務が法律上又は事実上同一の原因に基づき、かつ、主要な攻撃防御方法を共通にする場合をいう。
重要事実
17名の被上告人が、上告人らに対して本件訴訟を提起した。被上告人らは、民事訴訟法47条1項(当時)に基づき、選定当事者を選定して訴訟を追行した。上告人側は、被上告人らに「共同の利益」が認められないこと、および意思表示に強迫があったことを理由に、選定の適法性や原審の判断を争い上告した。
あてはめ
本件において、被上告人全員の権利は同一の事実上および法律上の原因に基づいている。また、本件訴訟における当事者双方の主要な攻撃防御方法は、被上告人全員について共通であると認められる。したがって、各当事者の利害関係は共通しており、選定当事者制度を認めるべき「共同の利益」があると評価できる。
結論
被上告人17名は「共同の利益を有する多数者」に該当し、選定当事者の選定は適法である。上告を棄却する。
実務上の射程
多数者が関与する訴訟(公害訴訟や消費者被害など)において、選定当事者制度を利用するための「共同の利益」の判断基準として実務上確立している。通常共同訴訟の要件(38条前段)と重なるが、さらに主要な攻撃防御方法の共通性まで要求することで、訴訟追行の便宜を担保している。
事件番号: 昭和38(オ)671 / 裁判年月日: 昭和39年4月17日 / 結論: 破棄差戻
融資契約で定められた貸付限度をこえる金額の貸付が行われ、のち一部弁済があつた場合は、該弁済が融資契約による限度内の元金に充当されたのか、それをこえる元金に充当されたのかを確定しないかぎり、融資契約についての保証人の責任の範囲を判定しえないと解すべきである。
事件番号: 昭和37(オ)1032 / 裁判年月日: 昭和38年10月8日 / 結論: 棄却
手形の裏書交付があつたからといつて、原因関係たる貸金債務の保証若しくは連帯保証契約を締結する意思を表示したものと解することはできない。