本件保証が手形債務の保証であることの主張がある以上、本件保証には商行為性があり連帯保証となると判断したからといつて、当事者の主張しない事項を認定判断したことにはならない。
手形債務の保証の主張と連帯保証の判定。
民訴法186条,商法501条4号,商法511条2項
判旨
絶対的商行為である手形債務を主債務とする保証契約は、商法501条に基づきそれ自体が商行為(商事保証)としての性質を有する。
問題の所在(論点)
手形債務(絶対的商行為)を主債務とする保証契約が商行為性を有するか。また、それにより保証人に検索の抗弁が認められるか(商法511条2項の連帯保証の適用の有無)。
規範
商法501条各号に掲げられる行為(絶対的商行為)を目的とする行為は、行為者のいかんにかかわらず商行為となる。したがって、絶対的商行為である手形債務を主債務とする保証契約は、商行為性を有する。その結果、商法511条2項が適用され、保証人は連帯保証責任を負うため、検索の抗弁(民法453条)を行使することはできない。
重要事実
上告人は、被上告人に対し、主債務者が負担する手形債務を保証した。被上告人が上告人に対して保証債務の履行を求めたところ、上告人は検索の抗弁権を主張してこれを争った。原審は、本件保証の対象が手形債務であり、商事債務を対象とするものであるから、検索の抗弁は排斥されるべきであると判断した。
あてはめ
本件保証の対象たる主債務は、商法501条4号に掲げられる「手形その他の商業証券に関する行為」に該当し、絶対的商行為である。このような商事債務を目的としてなされた保証契約は、それ自体が商行為性を有すると解するのが正当である。商行為によって生じた債務を保証した場合、または保証自体が商行為である場合、商法511条2項により保証人は当然に連帯保証責任を負う。したがって、上告人は民法上の検索の抗弁権を主張することはできない。
結論
絶対的商行為である手形債務を目的とする保証は商行為性を有するため、保証人は連帯保証責任を負い、検索の抗弁を主張できない。上告棄却。
実務上の射程
主債務が商行為(特に絶対的商行為)である場合の保証債務の性質を決定する射程を持つ。答案上は、保証人の連帯性を論じる際に、主債務の商行為性を起点として商法511条2項を導くための根拠として利用できる。
事件番号: 昭和28(オ)20 / 裁判年月日: 昭和32年4月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所による証拠の採否、評価および事実認定は原則として裁判所の専権に属する事項であり、自由心証主義の範囲内で行われる限り、事実認定の不当を理由として上告をすることはできない。 第1 事案の概要:上告人は、原審(判決文からは具体的な事件内容は不明)が証拠として採用した甲号証が偽造文書であり、かつ採用…