判旨
不変期間である控訴期間の徒過について、訴訟当事者が主張する諸事情が「当事者の責めに帰することができない事由」に該当しない場合には、期間追完の申立ては認められない。
問題の所在(論点)
控訴期間という不変期間を徒過した場合において、上告人らが主張する個別の事情が、民事訴訟法上の「当事者の責めに帰することができない事由」に該当し、期間の追完が認められるか。
規範
民事訴訟法第97条第1項(旧民訴法第159条)の「当事者の責めに帰することができない事由」とは、当事者が善良な管理者の注意を尽くしても、なお期間を遵守することができなかった客観的な事情を指す。
重要事実
上告人らは、控訴状を控訴提起の法定期間(不変期間)が経過した後に原審裁判所へ提出した。上告人らは、この期間徒過について、自己の責めに帰すべからざる特別な事情があったと主張し、救済を求めて上告した。
あてはめ
上告人らが主張する具体的な事実関係(詳細は判決文からは不明)を検討しても、それらの事情は、当事者が通常尽くすべき注意義務を免除し、不変期間の遵守を不能にしたものとは認められない。すなわち、客観的にみて「責めに帰すべからざる事由」があるとはいえない。
結論
本件控訴状の提出遅延について追完を認めるべき事由はないため、控訴を適法とした判断に誤りはなく、上告を棄却する。
実務上の射程
不変期間の遵守は訴訟手続の安定性の観点から厳格に解される。当事者側の不注意や単なる事故は「責めに帰すべからざる事由」には含まれず、追完が認められるハードルは極めて高いことを示す事案である。
事件番号: 昭和32(オ)830 / 裁判年月日: 昭和35年3月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】当事者の疾病や代理人の辞任を理由とする期日変更の申立てについて、疾病が真に出頭不能な程度であることを推知させる資料がなく、かつ期日までに対処可能な時間的猶予がある場合には、裁判所が申立てを却下して不出頭のまま結審しても適法である。 第1 事案の概要:上告人の訴訟代理人は、指定された口頭弁論期日の2…