判旨
貸金業者が行う金銭の貸付けについて、臨時金利調整法2条に基づき金利の最高限度を定める告示が存在しない場合、同法違反による利率制限の主張は認められない。
問題の所在(論点)
臨時金利調整法2条およびこれに基づく告示によって、貸金業者が行う金銭貸付の利率の最高限度が画定されているといえるか。
規範
臨時金利調整法2条は、貸金業等の取締に関する法律(旧法)8条により、貸金業者の金銭貸付の利率に準用される。しかし、同条に基づく具体的な最高限度利率が主務大臣の告示によって定められていない限り、当該規定による利率の制限は生じない。
重要事実
上告人は、被上告人(貸金業者)から金銭を借り入れたが、その利率について争った。上告人は、臨時金利調整法2条および同条に基づく昭和23年大蔵省告示4号により、貸金業者の貸付利率に最高限度が定められていることを前提に、本件貸付がその制限を超えていると主張した。
あてはめ
臨時金利調整法2条は貸金業者の貸付に準用されるものの、同条に基づく昭和23年大蔵省告示4号(その後の改正を含む)を確認しても、貸金業者の金銭貸付について利率の最高限度を定めた規定は見当たらない。したがって、制限利率の定めが存在することを前提とする上告人の主張は、その前提を欠くものと言わざるを得ない。
結論
本件貸付において臨時金利調整法に基づく利率制限の適用はなく、同法違反を理由とする原判決の破棄は認められない。
実務上の射程
現在は利息制限法や出資法による金利規制が整備されているため、本判決の直接的な射程は限定的である。しかし、委任法理において「具体的な定め(告示等)の有無」が法適用の前提となるという論理構成は、行政規制が関わる民事紛争の基礎的視点として参考になる。
事件番号: 昭和28(オ)1110 / 裁判年月日: 昭和30年9月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】約束手形金の延滞利息については、商法施行法117条に基づき旧利息制限法5条の適用が除外されるため、同法所定の制限を超える延滞損害金の約定も有効である。 第1 事案の概要:上告人は、約束手形金の支払を怠ったことによる延滞利息(延滞損害金)として、月1割または日歩10銭という高率の支払を命じられた。こ…