判旨
約束手形金の延滞利息については、商法施行法117条に基づき旧利息制限法5条の適用が除外されるため、同法所定の制限を超える延滞損害金の約定も有効である。
問題の所在(論点)
約束手形金の支払遅滞に基づく延滞損害金の支払について、旧利息制限法5条(現在の利息制限法に基づく制限と同様の趣旨)の適用があるか。
規範
商法施行法117条(現・利息制限法附則4項参照)により、商法、手形法又は小切手法の規定により支払うべき利息又は遅延損害金については、利息制限法における利率の制限に関する規定は適用されない。
重要事実
上告人は、約束手形金の支払を怠ったことによる延滞利息(延滞損害金)として、月1割または日歩10銭という高率の支払を命じられた。これに対し、上告人は旧利息制限法5条等の制限に抵触し違法であると主張して上告した。
あてはめ
本件における支払義務は約束手形金の延滞利息である。商法施行法117条は、手形法等に基づき支払うべき利息等については利息制限法の適用を排除している。したがって、月1割等の高率な延滞損害金の約定であっても、直ちに同法違反として無効になることはない。本件の認定された利率(月1割等)は、手形債務の性質に鑑み、特段の違法性があるとは認められない。
結論
約束手形金の延滞利息については旧利息制限法5条の適用はなく、月1割等の延滞損害金の支払命令は適法である。
実務上の射程
手形債務に基づく遅延損害金については利息制限法の適用がないとする重要な基準を示す。ただし、公序良俗(民法90条)による制限の余地は別途検討し得るが、本判決は商法施行法を根拠に形式的な適用除外を明確にしている。
事件番号: 昭和27(オ)1267 / 裁判年月日: 昭和30年6月28日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】金銭消費貸借において、利息制限法の制限を超える利息を元金からあらかじめ控除するいわゆる利息の天引きが行われた場合、特段の事情がない限り、制限超過利息に相当する部分については金銭消費貸借は成立せず、実際に交付された金額を元本とみなすべきである。 第1 事案の概要:上告人は被上告人から、元金40万円、…