判旨
仮処分に関する高等裁判所の終局判決に対する上告は、憲法違反を理由とする場合に限られ、実質的に単なる法令違反の主張にすぎない場合は適法な上告理由とは認められない。
問題の所在(論点)
仮処分に関する高等裁判所の終局判決に対する上告において、憲法違反を形式的に主張しつつ、その実質が単なる法令違反の主張である場合に、適法な上告理由として認められるか。
規範
仮処分に関し高等裁判所がなした終局判決に対する上告は、旧民事訴訟法409条ノ2(現行民事訴訟法312条1項、2項参照)に基づき、判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法の違反があることを理由とする場合にのみ許容される。
重要事実
上告人は、仮処分に関する高等裁判所の終局判決に対し、憲法76条3項(裁判官の職権行使の独立)および憲法29条(財産権)に違反するとして上告を提起した。しかし、その主張の内容は原判決の法令解釈を非難するものであった。
あてはめ
上告人は憲法76条3項および29条違反を主張しているが、その実質的な内容は原判決の法令解釈を批判するにとどまるものである。このように、実質が単なる法令の解釈に関する非難に帰する場合、それは適法な憲法違反の主張とは認められない。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
民事訴訟法上の上告理由の限定(憲法違反等)を充たすかどうかの判断枠組みを示す。特に特別上告や許可抗告において、単なる法令違反を憲法違反に「こじつける」主張が排除される際の論拠として用いられる。
事件番号: 昭和29(テ)19 / 裁判年月日: 昭和30年7月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】仮処分に関する終局判決に対する上告は、憲法解釈の誤り等の憲法違反がある場合に限られ、実質的に実体法規の解釈の誤りを非難するものは適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、仮処分に関する高等裁判所の終局判決に対し、憲法29条(財産権)違反を理由として上告を提起した。しかし、その主張の…
事件番号: 昭和29(テ)15 / 裁判年月日: 昭和30年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張する上告であっても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、特別上告の適法な理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は憲法違反を理由として本件上告を提起したが、その主張の具体的な内容は、下級審判決における法令の適用や解釈に誤りがあるという点に帰結するものであった。なお、…