判旨
上告理由が原判決の違法に直接関係のない事柄の主張や、原判決の認定に副わない事実を前提とする主張にすぎない場合、原判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背があるとは認められない。
問題の所在(論点)
上告理由が、原判決の法解釈や適用に関する直接の批判ではなく、関係のない事項の陳述や事実認定の蒸し返しに終始する場合に、適法な上告理由(判決に影響を及ぼすべき法令の違背)に該当するか。
規範
上告理由が、原判決の違法に直接関係のない事柄を述べるものであるか、または原判決の認定した事実とは異なる事実を前提として違法を主張するものである場合には、原判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背を主張するものとは認められない(旧民訴法401条参照)。
重要事実
上告人は原判決の違法を主張して上告したが、その主張内容は多岐にわたるものの、大部分は原判決の違法とは直接関係のない詳細な事柄の指摘であった。また、残りの主張についても、原判決が認定した事実関係を否定し、独自の事実認識を前提として違法を唱えるものであった。
あてはめ
上告理由の大部分は、原判決の違法性に直接結びつかない論点の羅列にすぎない。また、それ以外の部分は、原判決が確定した事実関係を無視した独自の主張に基づくものであり、原判決の法適用の誤りを論理的に導き出すものとはいえない。したがって、これらの主張は原判決を覆すべき法令の違背を構成するものとは評価されない。
結論
本件上告は理由がなく、棄却を免れない。
実務上の射程
上告理由の適法性を判断するにあたり、原判決との直接的な関連性および確定事実への拘束を重視する実務上の運用を確認するものである。答案上は、上告理由書の記載が単なる事実誤認の主張や無関係な事項の指摘にとどまる場合に、上告を棄却すべき根拠として援用し得る。
事件番号: 昭和28(オ)1311 / 裁判年月日: 昭和30年5月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特許法上の発明(旧特許法1条の工業的発明)とは、自然法則の利用によって一定の文化目的を達成する技術的考案をいう。 第1 事案の概要:上告人らは、自らが行った考案について、特許能力が認められるべきであると主張して上告した。原審は、当該考案が当時の特許法1条にいう「工業的発明」に該当しないとして特許能…
事件番号: 昭和29(オ)331 / 裁判年月日: 昭和30年3月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特許出願された発明が、先行する公知の技術(実用新案出願公告にかかる方法)と同一である場合には、新規性を欠くものとして特許を認めないのが相当である。 第1 事案の概要:上告人は、自らの発明について特許出願を行ったが、特許庁の審決において、当該発明は昭和23年実用新案出願公告第1357号に記載された方…
事件番号: 昭和31(オ)42 / 裁判年月日: 昭和33年9月30日 / 結論: 棄却
期間を遵守することができなかつたことについて、当事者本人にその責に帰することができない事由があつても、同人に代つて当該手続をする権限のある代理人に右の事由がない場合には、特許法第二五条によつて懈怠した手続の追完をすることはできない。
事件番号: 昭和32(オ)988 / 裁判年月日: 昭和36年4月4日 / 結論: 棄却
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