判旨
上告理由が実質的に原審の証拠取捨および事実認定を非難するにすぎない場合、原判決に理由不備等の違法はないとして上告は棄却される。
問題の所在(論点)
事実認定の当否を争う主張が、民事訴訟法上の理由不備や法律違背として適法な上告理由となり得るか。
規範
上告審において原判決の理由不備や民事訴訟法違背を主張する場合であっても、その実質が証拠の取捨選択や事実認定の当否を争うものであるときは、原審の認定プロセスに合理性が認められる限り、適法な上告理由とはならない。
重要事実
上告人は、原判決に理由不備および民事訴訟法違背の違法があると主張して上告した。しかし、その主張の具体的な内容は、多方面にわたって原審が行った証拠の取捨判断や事実認定を非難するものであった。
あてはめ
原判決が引用する証拠と判示説明を対照すると、その事実認定の過程は相当であると認められる。上告人の主張は、独自の合理性に基づかない見解から原判決の事実認定を非難するに帰するものであり、原判決に法的な瑕疵があるとはいえない。
結論
本件上告には理由がないため、棄却される。
実務上の射程
本判決は、事実誤認を実質的な理由とする上告が制限されることを示しており、答案作成上は、民事訴訟法における上告理由(特に理由不備や理由齟齬)を検討する際、単なる事実認定の不服と法的評価の瑕疵を区別する文脈で参照される。
事件番号: 昭和30(オ)118 / 裁判年月日: 昭和31年9月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実認定の誤認を主張し、これを前提として法令違背を主張する上告理由は、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が行った事実認定には誤認がある旨を主張した。その上で、上告人が主張する独自の事実関係を前提として、原判決には法令の適用を誤った違法があるとして上告を申し立てた。 …
事件番号: 昭和30(オ)507 / 裁判年月日: 昭和32年10月31日 / 結論: 破棄差戻
書証の記載およびその体裁から、特段の事情のない限り、その記載どおりの事実を認めるべきである場合に、なんら首肯するに足る理由を示すことなくその書証を排斥するのは、理由不備の違法を免れない。
事件番号: 昭和37(オ)671 / 裁判年月日: 昭和38年10月18日 / 結論: 棄却
原審において主張なく認定のない事実をもつて原判決の確認の利益に関する判断を非難することは、上告理由として採用できない。
事件番号: 昭和32(オ)431 / 裁判年月日: 昭和34年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決文には具体的な判断の要旨が含まれておらず、原審の事実認定および証拠取捨を正当として上告を棄却したにとどまる。 第1 事案の概要:判決文からは不明(原審が認定した具体的な事実関係については記載がない)。 第2 問題の所在(論点):上告人が主張した原審の経験則違背、審理不尽、理由不備の有無、および…