判旨
適式の呼出を受け次回期日の指定があった事案において、資料の添付がない期日変更申請を却下して口頭弁論を終結させることは、防御権の侵害にあたらず適法である。
問題の所在(論点)
期日変更申請の事由を明らかにする資料が添付されていない場合に、裁判所が申請を却下して口頭弁論を終結させることが、防御方法提出の機会の不当な剥奪として違法となるか。
規範
口頭弁論期日の変更は、顕著な事由がある場合を除き、変更の事由を明らかにする証拠資料を添付して申請しなければならない。適式な期日の呼出が行われ、防御方法を提出する機会が保障されている状況下では、疎明資料を欠く期日変更申請を却下し、口頭弁論を終結させて判決を言い渡すことは、民事訴訟法上の手続として適法である。
重要事実
上告人らは控訴審の第1回口頭弁論期日に適式な呼出を受け、同日の弁論に支障はなく次回期日の指定も受けた。しかし、上告人らは期日変更申請を行った際、その変更事由を明らかにする資料を添付しなかった。原審は、この申請を却下した上で口頭弁論を終結し、判決言渡期日を指定・呼出し、判決を言い渡した。これに対し、上告人らは防御方法提出の機会を奪われたとして上告した。
あてはめ
本件において、上告人らは第1回期日に適式に呼び出され、次回期日の指定も受けており、防御方法を提出する機会自体は十分に与えられていたといえる。また、民事訴訟手続において期日変更を求める際には、その事由を裏付ける資料を提出すべきところ、本件の上告人らの申請には資料の添付が一切なかった。このような不適格な申請を却下し、審理を終結させることは、裁判所の正当な訴訟指揮の範囲内であり、手続上の違法は認められない。
結論
期日変更申請を却下し、口頭弁論を終結させたことに違法はない。上告棄却。
実務上の射程
当事者が不当な遅延を目的として期日変更を繰り返すケース等に対する、裁判所の適正な訴訟指揮権の行使を裏付ける判例である。答案上は、手続的保障の充足性と訴訟経済・迅速な裁判の要請との調和を論じる際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和33(オ)43 / 裁判年月日: 昭和35年4月26日 / 結論: 棄却
証人尋問が唯一の証拠方法であつても、右尋問期日に証人および申請当事者が出頭せず、しかも従来その当事者は病気、示談、調停などを理由として期日の延期または訴訟手続の停止申請をくり返すだけで訴提起以来数回行われた口頭弁論期日に一度も出張したことがたく訴訟代理人の選任もしない等の経過から見て、たとえ証人尋問のため新期日を指定し…