準備手続を経ない訴訟事件に対し、民事調停の申立が受理されたことは、右訴訟事件の最初の口頭弁論期日後の期日の変更について、顕著な事由が存するとはいえない。
準備手続を経ない訴訟事件における最初の口頭弁論期日後の期日の変更について顕著なる事由が存しないとされた事例。
民訴法152条,民事調停規則5条
判旨
準備手続を経ない口頭弁論の第二回期日以降の変更は、顕著な事由がある場合に限り許される。別個の民事調停が係属している事実は、訴訟手続を当然に中止させるべき事由には当たらず、期日変更を認めるべき顕著な事由にも該当しない。
問題の所在(論点)
準備手続を経ない口頭弁論の第2回期日以降における期日変更の要件、および別個の民事調停の申立てが期日変更の「顕著なる事由」に該当するか。
規範
準備手続を経ない口頭弁論の期日変更は、第1回期日を除き、「顕著なる事由」(現行民訴法93条3項参照)があるときにのみ許される。また、同一事件について民事調停が申し立てられている場合であっても、訴訟手続を中止するか否かは裁判所の合理的な裁量に委ねられる。
重要事実
本件訴訟において、第1回口頭弁論期日は上告人の申請により既に変更されていた。上告人は、第2回期日となる口頭弁論期日および判決言渡期日についても期日変更申請を行った。その理由は、本件請求事件について簡易裁判所に民事調停を申し立て、受理・継続中であるというものであったが、原審はこれを却下して訴訟を進行させ、判決を言い渡した。
あてはめ
本件で上告人が変更を求めた期日は、一度変更された後の第2回期日にあたる。これに対し、上告人が主張する「民事調停の申立て」という事由は、訴訟手続の進行を当然に妨げるものではない。民事調停規則等の趣旨に照らせば、調停継続中の訴訟中止は裁判所の裁量事項であり、調停申立ての事実は直ちに期日変更を認めるべき「顕著なる事由」には該当しないと評価される。したがって、原審が期日変更申請を却下し、判決を言い渡した手続に違法はない。
結論
第2回期日以降の期日変更には顕著な事由が必要であり、単なる民事調停の申立て事実はこれに該当しないため、期日変更申請を却下した原審の判断は適法である。
実務上の射程
訴訟遅延防止の観点から、第2回以降の期日変更が厳格に解されることを示した。答案上は、当事者が主張する変更理由が民訴法上の「顕著な事由」に当たるかを検討する際、裁判所の裁量権や手続の進行状況と対比して論じる際の根拠となる。
事件番号: 昭和30(オ)238 / 裁判年月日: 昭和32年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】適式の呼出を受け次回期日の指定があった事案において、資料の添付がない期日変更申請を却下して口頭弁論を終結させることは、防御権の侵害にあたらず適法である。 第1 事案の概要:上告人らは控訴審の第1回口頭弁論期日に適式な呼出を受け、同日の弁論に支障はなく次回期日の指定も受けた。しかし、上告人らは期日変…