判旨
判決理由の矛盾(理由のそご)の主張が、単なる事実認定に対する不服の申し立てに過ぎない場合には、上告理由としての適法性を欠く。
問題の所在(論点)
民事訴訟における上告理由としての「理由の矛盾(そご)」が認められるか。特に、事実認定に対する不満が「理由の矛盾」という形式を借りて主張された場合の適否が問題となる。
規範
判決に理由のくい違い(そご)があるとの主張がなされた場合であっても、それが実質的に原審の認定した事実(証拠評価や事実認定の当否)を非難するものにとどまるときは、判決の違法事由には当たらない。
重要事実
上告人は、原判決の理由に矛盾がある(そごがある)と主張した。具体的には、原審が本件土地について「開墾に適するもの」と判断した点に不服を申し立て、これが理由の矛盾に該当すると訴えた事案である。
あてはめ
上告人は原判決の理由に「そご」があると主張するが、その実質的な内容は、特定の土地が開墾に適するか否かという原審の事実認定を非難するものである。これは原判決の論理的整合性を問うものではなく、単なる事実認定に対する不服の表明であるため、判決を破棄すべき違法があるとはいえない。
結論
本件上告には適法な上告理由がないため、上告を棄却する。
実務上の射程
民事訴訟法上の「理由のくい違い」を主張する際の限界を示すものである。実務上・答案上は、理由不備・理由矛盾を主張する際には、単なる事実認定の不服と区別し、判決文内部での論理的破綻を具体的に指摘する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和28(オ)760 / 裁判年月日: 昭和30年4月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】農地の買収不適格性を理由とする憲法違反の主張は、実質的に単なる事実誤認の主張に過ぎない場合、上告理由としての適法性を欠く。 第1 事案の概要:上告人は、本件農地の耕作が粗放ではないにもかかわらず買収されたことは不当であると主張した。また、本件農地が買収不適格地であるにもかかわらず買収されたことは憲…