判旨
民事上告において、不当労働行為の主張が原審で排斥されたことに対する不服は、実質的に事実認定の非難にすぎない場合、民事上告事件の審判の特例法に定める上告理由には該当しない。
問題の所在(論点)
原審が不当労働行為の主張を排斥したことに対する不服申し立てが、民事上告事件の審判の特例法上の上告理由(特に法令解釈に関する重要な主張等)に該当するか。
規範
「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」1号から3号のいずれにも該当せず、かつ「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない場合、上告は棄却される。特に、形式的に違憲の主張を含んでいても、その実質が原審の事実認定を非難するに過ぎないときは、適法な上告理由とはならない。
重要事実
上告人らが、相手方の行為が不当労働行為に該当すると主張したが、原審においてその主張を排斥する事実認定がなされた。これに対し上告人らは、違憲の主張を含めて上告を申し立てた。
あてはめ
上告人らは違憲の主張を行っているものの、その内容は原審が不当労働行為を否定した事実認定を非難するにとどまる。このような事実に係る不服は、特例法1号ないし3号のいずれの事由にも該当せず、また法令の解釈に関する重要な主張を含むものとも認められないため、上告理由としての適格を欠く。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、不当労働行為の成否が主として事実認定の問題であることを示唆しており、司法試験の実務・手続面では、上告理由の形式的な記載(違憲等)にかかわらず、実質が事実誤認の主張であれば上告維持が困難であることを示す例として参照し得る。
事件番号: 昭和30(テ)3 / 裁判年月日: 昭和31年8月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】仮処分に関する高等裁判所の終局判決に対する上告は、判決に憲法の解釈の誤りその他憲法の違反がある場合に限定される。実質的に手続規定の解釈に関する不服にすぎない主張は、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:仮処分に関し、高等裁判所が終局判決を下した。これに対し、上告人が上告を提起し、その理…