判旨
利息制限法は金銭消費貸借上の債務のみを対象とするものであり、民法419条は金銭債務につき特約をもって法定利率を超える遅延損害金額を定めることを妨げない。
問題の所在(論点)
1. 利息制限法の制限規定は、金銭消費貸借以外の金銭債務にも適用されるか。 2. 民法419条(金銭債務の特則)のもとで、法定利率を超える遅延損害金の特約は有効か。
規範
利息制限法(本判決当時)の制限規定は金銭消費貸借上の債務のみを対象とする。また、金銭債務の不履行による損害賠償について、民法419条は特約をもって法定利率を超える損害賠償額を定めることを許容している。
重要事実
上告人は、原審が認定した金銭債務の遅延損害金について、利息制限法の適用があること、および民法419条の規定により法定利率を超える損害賠償額の定めは許されないことを主張して上告した。なお、具体的な債務の発生原因等の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
1. 利息制限法は金銭消費貸借を対象とする法律であり、それ以外の原因による金銭債務に当然に適用されるものではない。本件債務が金銭消費貸借上の債務であるとの事実認定がない以上、同法の適用は否定される。 2. 民法419条1項は「特約がないときは」法定利率によると定めており、同条は特約による賠償額の予定を排除していない。したがって、法定利率を超える額を定めた特約も有効である。
結論
本件債務に利息制限法は適用されず、また法定利率を超える損害賠償額の特約も民法419条に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
金銭債務全般における遅延損害金の予定が、利息制限法の適用範囲(金銭消費貸借)外であれば、同法の制限を受けないことを示す。答案上は、利息制限法の適用範囲の画定や、民法419条1項ただし書(現419条1項後段)の根拠として利用できるが、現在は利息制限法4条、7条等により「みなし消費貸借」や「賠償額の予定」にも制限が及ぶ点に注意が必要である。
事件番号: 昭和30(オ)32 / 裁判年月日: 昭和36年6月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】金銭債務の不履行に伴う損害賠償額の予定があるというためには、利息の約定があることのみでは足りず、遅延損害金についても別途特約が存在するか、あるいは損害賠償額の予定と認めるべき事実を要する。 第1 事案の概要:被上告人(債権者)は、訴外Dに対し、月利率5分の約定で金30万円を貸し付け、上告人(連帯保…