旧利息制限法の制限外利息債権を被担保債権として抵当権設定の登記請求をすることは許されない。
旧利息制限法違反の利息債権を被担保債権とする抵当権設定登記請求の許否
旧利息制限法2条
判旨
利息制限法所定の制限を超える約定利息は、同法が債務者保護を目的とする以上、裁判上の請求のみならず、その債権を原因とする法律上の請求はすべて裁判上無効である。したがって、制限超過利息を被担保債権とする抵当権設定登記手続請求は認められない。
問題の所在(論点)
利息制限法の制限を超える約定利息債権について、それを被担保債権とする抵当権設定登記手続を裁判上請求することができるか。
規範
利息制限法(旧法2条)にいう「裁判上無効」とは、制限超過利息の支払を直接請求する場合に限られない。同条は、制限超過利息について裁判上の救済を拒否し債務者を保護する趣旨であるから、債務者の意思に反してその支払を強制し、またはこれを原因とする法律上の主張・強制をすることは、すべて裁判上否定されるべきである。
重要事実
被上告人(債権者)は、上告人(債務者)に対し、消費貸借契約に基づき、月1割という利息制限法の制限を大幅に超える約定利息債権を有していた。被上告人は、この制限超過利息を含む債権を被担保債権として、建物への抵当権設定登記手続を求めて提訴した。原審は、制限超過利息であっても公序良俗に反しない限り無効ではなく、単に裁判上請求できないにすぎないとして、登記請求を認容したため、上告人が上告した。
あてはめ
利息制限法の趣旨は、制限超過利息について裁判上の救済を拒否することで債務者を保護する点にある。抵当権設定登記手続の請求は、当該利息債権の効力を前提としてその支払の確保を図る法律上の請求に他ならない。本件の約定利息(月1割)のうち、同法所定の年1割を超える部分は裁判上無効と解されるべきであり、無効な債権について登記手続という裁判上の救済を与えることはできない。
結論
利息制限法の制限を超える利息債権を被担保債権とする抵当権設定登記請求は、超過部分について認められない。
実務上の射程
利息制限法違反の債権について、抵当権設定登記や代物弁済予約等の担保的効力を裁判上主張する場合の射程。債務者が任意に支払った場合の有効性(公序良俗に反しない限り)とは区別し、裁判上の強制を求める局面では法は一切関与しないという峻別を示す。
事件番号: 昭和36(オ)1133 / 裁判年月日: 昭和38年2月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】利息制限法所定の制限を超える利息・損害金が任意に支払われた場合であっても、元本債権が存在する限り当然に元本に充当されると解すべき根拠はない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和24年3月末日に被上告人に対し22,500円を支払った。上告人は、この支払が利息制限法(旧法)の制限を超える利息および損害金…