判旨
当事者が故意または重大な過失により時機に遅れて提出した攻撃防御方法について、裁判所は、訴訟の完結を遅延させるものと認める場合には、これを却下することができる。
問題の所在(論点)
民事訴訟法157条1項(時機に遅れた攻撃防御方法の却下)の要件を充足するか。特に、原審が故意・重過失および訴訟完結の遅延を認めて却下した判断の適否が問題となる。
規範
当事者が提出した攻撃または防御の方法が、(1)故意または重大な過失によって(2)時機に遅れて提出されたものであり、(3)これにより訴訟の完結を著しく遅延させることになると認められる場合には、裁判所は決定をもってこれを却下することができる(民事訴訟法157条1項)。
重要事実
上告人は、原審において新たな事実上の主張および証拠の申し出を行った。しかし、原審(控訴審)は、当該主張および立証が、故意または少なくとも重大な過失により時機に遅れて提出された攻撃方法であると判断。さらに、これにより訴訟の完結を著しく遅延させるものであるとして、これらを却下した。上告人は、この却下決定を不当として上告した。
あてはめ
本件訴訟の性質(判決文からは具体的な事件類型は不明)およびその経過に照らせば、原審の判断は合理的である。上告人が主張する事実や証拠の申し出は、それまでの審理の進展状況から見て、より早期に提出することが可能であったと評価される。これを受け入れれば審理の継続が必要となり、訴訟完結を遅延させることは明らかであるため、却下要件を充足するといえる。
結論
時機に遅れた攻撃方法の却下に関する原審の判断は正当であり、却下決定に違法はない。
実務上の射程
訴訟の著しい遅延を防止し、適正かつ迅速な審理を実現するための裁判所の裁量権を認めるものである。答案上は、第1審で提出可能であった主張が控訴審で初めてなされた場合や、争点整理手続終了後の新たな申し立てに対し、民訴法157条の要件検討を行う際の論拠として活用する。
事件番号: 昭和31(オ)600 / 裁判年月日: 昭和32年11月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事訴訟法157条1項に基づき、攻撃防御方法が重大な過失によって時機に遅れて提出され、かつ、それによって訴訟の完結を遅延させると認められる場合には、裁判所はこれを却下することができる。 第1 事案の概要:上告人は、訴訟の進行過程において特定の抗弁を提出したが、原審はこれが重大な過失により時機に遅れ…
事件番号: 昭和23(オ)152 / 裁判年月日: 昭和24年3月19日 / 結論: 棄却
当選訴訟において、選挙の無効を原因として当選人の当選を争うことは許されない。