判旨
選挙の効力に関する訴訟(公職選挙法204条、旧法207条)において、当選者を被告とすることは認められず、また特定の行為が選挙無効の原因とならない場合があることを示した。
問題の所在(論点)
旧公職選挙法207条に基づく選挙無効の訴えにおいて、当選者を被告とすることができるか。また、Bの行為が選挙無効の原因となるか。
規範
公職選挙法(旧法)207条に基づく選挙の効力に関する訴訟(選挙無効訴訟)においては、当選者を被告とすることはできず、また、選挙管理委員会の判断に基づき、特定の者の行為が直ちに選挙無効の原因となるとは限らない。
重要事実
上告人は、選挙の結果に対し、旧公職選挙法211条(現在の連座制等に基づく訴訟)または207条(選挙無効の訴え)に基づき、当選者を被告として訴えを提起した。具体的には、Bの行為が選挙無効の原因であると主張したが、原審は被告適格の欠如および選挙無効事由の不存在を理由に請求を退けたため、上告人が最高裁へ上告した。
あてはめ
旧法211条(現211条相当)は刑事確定判決があることを要件としており、本件ではその要件を満たさないため、本件訴えは旧法207条(現204条・205条相当)の訴えと解される。同条の訴えは選挙管理委員会等を被告とすべき性質のものであり、当選者を被告とすることはできない。また、Bの行為が選挙無効の原因となるかについては、原審が認定した通り、選挙の結果を無効にするほどの事由には当たらないと評価される。
結論
当選者を被告とした訴えは不適法であり、また主張された事由は選挙無効の原因とはならないため、上告を棄却する。
実務上の射程
選挙訴訟において、訴訟類型(選挙無効訴訟か当選無効訴訟か)に応じた被告適格の厳格な区別と、無効原因の存否判断に関する原審の裁量を認める際の指針となる。
事件番号: 昭和34(オ)20 / 裁判年月日: 昭和34年2月20日 / 結論: 棄却
一 「北條D一」、「北条D一」と記載された投票は候補者上条B一の氏名を誤記したものと解すべきである。 二 参議院全国区選出議員選挙で、「大西」と記載された投票は候補者小西Aの姓を誤記したものとは認められない。 三 参議院議員の通常選挙で、地方区選挙の投票用紙に全国区選挙の候補者氏名を記載した投票は無効である。